南インドの過酷な暑さを乗り切るために、現地でよく飲まれるトマトスープです。さっぱりと爽やかな味わいで、暑さに疲れた体にうってつけです。食べると体の中から元気が湧いてくる。そんな南インドのスパイスと素材の香りが印象的な野菜中心のカレーを、インド・スパイス料理研究家の香取 薫さんに教えてもらいました。
液体の中にいかに素材の味を引き出すかが、ラサムのポイント。豆でとろみをつけたり、野菜だけのだし汁のようなもの、鶏肉や海老を使うものなどさまざまあるが、味を楽しむだけでなく、酷暑の中で胃を動かし消化を促すのに欠かせない。タッカーリとはトマトの意。
トマト | 小2個(完熟のもの) |
---|---|
タマリンド | 20g |
ぬるま湯 | 250ml |
トゥールダール | 50g |
A | |
・ サーンバールパウダー | 小さじ2強 |
・ ヒーング | 小さじ1/4 |
・ カレーリーフ | 5枚 |
・ 塩 | 小さじ1 |
★ テンパリング | |
・ ギー | 大さじ1 |
・ ブラウンマスタードシード | 小さじ2/3 |
黒砂糖 | 小さじ1強 |
カレーリーフ | 7~8枚(仕上げ用(やわらかい葉がよい)) |
香菜 | 適量(ざく切り) |
トゥールダールは、洗って3倍量以上の水に半日浸水してもどす(または熱湯に1時間浸す)。
トマトは丸ごとボウルに入れて15分蒸し、へたを取ってミキサーにかけ、なめらかにする。
タマリンドはぬるま湯に30分つけてふやかし、よくもみほぐしてからザルで皮、種、筋などをこし、タマリンドウォーターをつくる(約200mlになる)。
ターメリックふたつまみ(分量外)を入れやわらかく煮て、マッシャーでなめらかにつぶし、水(材料外)を足してサラッとした濃度にととのえる。
鍋に2のトマト、3のタマリンドウォーター、4のトゥールダールとAを入れて中火にかける。沸いたら静かにフツフツとする火加減にして蓋をし、味が出てくるまで20分煮る。
小さなフライパンにギーを入れて温め、ブラウンマスタードシードを数粒落とす。はじけ始めたらすべて入れ、蓋をして軽く揺すり、勢いよくはじけたら火を止める。4の鍋に入れ、ごく弱火で5分煮る。
表面にアクが出てきたのを目安に(アクは取らない)、黒砂糖を入れる。仕上げにカレーリーフを手でもんでから入れ、香菜を入れる。
東京生まれ。
1985年にボランティアで訪れたインドで、スパイスの魅力に開眼。以来、インド中を歩き、地元の家庭に入って料理を研究する。キッチンスタジオ ペイズリー主宰。著書も多数。
文:鹿野真砂美 写真:宗田育子
この記事は四季dancyu「夏のキッチン」に掲載したものです。