バターを煮詰めてつくる“ギー”をたっぷり使った熱々デザートです。パイナップルの香りと酸味がギーのコクと合わさり、なんとも贅沢な味わいです。食べると体の中から元気が湧いてくる。そんなスパイスと素材の香りが印象的な野菜中心の南インド料理を、インド・スパイス料理研究家の香取 薫さんに教えてもらいました。
スージ粉でギーを練り上げ、サフランとパイナップルの高貴な香りと酸味を添える熱々でリッチなデザート。これは、伝統料理が現代に受け継がれている、カルナータカ州ウドゥピのスタイル。仕上げのギーもたっぷり。
スージ粉 | 1/2カップ(セモリナ粉) |
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レーズン | 20粒 |
カシューナッツ | 20粒(無塩のもの) |
ギー | 大さじ3 |
熱湯 | 220ml |
パイナップル | 1カップ(生を1cm弱の角切り) |
サフラン | ひとつまみ |
砂糖 | 大さじ8 |
ギー | 大さじ2(仕上げ用) |
フライパンにスージ粉を入れ、弱火でから煎りする。カリッとしてきたら、色がつく前に取り出す。
サフランはぬるま湯大さじ1に浸し、指で軽くもんで15分以上おき、色出ししておく。
フライパンにギーを入れて熱し、レーズンとカシューナッツを入れる。レーズンがふくらみ始め、カシューナッツに薄く色がついたら網ですくい出し、残った脂に1のスージ粉を入れ、中火で3分ほど、ポソポソとした状態になるまで炒める。
3のスージ粉に熱湯を入れ、なめらかになるまで練り混ぜたらパイナップルを入れて混ぜる。パイナップルに火が通ったら、2のサフランをぬるま湯ごとと、砂糖を入れる。全体にツヤが出てくるまで弱火で2~3分練り、レーズンとカシューナッツを戻して仕上げ用のギーを混ぜる。
東京生まれ。
1985年にボランティアで訪れたインドで、スパイスの魅力に開眼。以来、インド中を歩き、地元の家庭に入って料理を研究する。キッチンスタジオ ペイズリー主宰。著書も多数。
文:鹿野真砂美 写真:宗田育子
この記事は四季dancyu「夏のキッチン」に掲載したものです。