なすの甘味が存分に味わえる一品です。カレーに混ぜることで、辛味を調整したり、そのままディップとして食べても美味しいです。食べると体の中から元気が湧いてくる。そんな南インドのスパイスと素材の香りが印象的な野菜中心のカレーを、インド・スパイス料理研究家の香取 薫さんに教えてもらいました。
ペースト状の料理で、カレー料理に少しずつ混ぜながら食べたり、焼いたり揚げたりした生地に添えて食べる。焼きなすの甘さと香ばしさが美味。少し育ちすぎて中の種が目立つようなもののほうが向いている。
なす | 3個(大ぶりで太く種の多いもの) |
---|---|
タマリンド | 小さじ2 |
ぬるま湯 | 80ml |
★ テンパリング | |
・ チャナダール | 小さじ1と1/2 |
・ ウラドダール | 小さじ1と1/2(皮むきひき割り) |
・ ブラウンマスタードシード* | 小さじ2/3 |
・ カレーリーフ | 7枚 |
・ 植物油 | 大さじ2 |
塩 | 小さじ2/3 |
レッドペッパー | 小さじ1/2(パウダー) |
*ブラウンマスタードシードはインドでは一般的なマスタードシード。イエローマスタードシードよりも強めの香りがあるが、手に入らなければイエローマスタードシードでOK。
なすはオーブンやオーブントースター、または網にのせ、直火にかけるなどのやり方で、中心がやわらかくなるまでしっかりと焼く。粗熱が取れたら皮をむき、下部の種の多い部分は粗みじんにしてとりおき、上部は大まかに切ってボウルに入れる。
タマリンドはぬるま湯に15分つけてふやかし、よくもみしごいてからザルでこす。ザルに残った種や筋は捨て、こしとった液体をタマリンドウォーターとして使う。
フライパンに植物油を入れて中火で温めたところへ、ブラウンマスタードシードを数粒入れる。はじけ始めたらすべて入れ、蓋をしてフライパンを軽く揺すって勢いよくはじけているところへチャナダール、ウラドダールの順に入れる。蓋をしたまま火にかけ、ウラドダールが香ばしくカリッとなったら火を止め、カレーリーフを入れる。水分ではぜるのですぐに蓋をし、音が収まったら油ごと1のボウルに入れたなすにふりかけて全体を混ぜる。
3のボウルの中身をすべてフードプロセッサーに移し、2のタマリンドウォーターと塩、レッドペッパーを入れてなめらかにする。豆は形が残っていてもよい。とりおいていた種側のなすとよく混ぜる。
東京生まれ。
1985年にボランティアで訪れたインドで、スパイスの魅力に開眼。以来、インド中を歩き、地元の家庭に入って料理を研究する。キッチンスタジオ ペイズリー主宰。著書も多数。
文:鹿野真砂美 写真:宗田育子
この記事は四季dancyu「夏のキッチン」に掲載したものです。