須永辰緒のMUSIC&RAMEN
梅雨空を吹き飛ばす"あさりの塩つけ麺~貝寄せ風~"|須永辰緒のMUSIC&RAMEN⑫

梅雨空を吹き飛ばす"あさりの塩つけ麺~貝寄せ風~"|須永辰緒のMUSIC&RAMEN⑫

自他ともに認めるラーメンマニアかつ、レコード番長の異名を持つ人気DJ須永辰緒さんが、ラーメンレシピとともに、そこに込めたテーマや思いをもとに組んだ音楽のプレイリストをご紹介する連載「須永辰緒のMUSIC&RAMEN」。第12回は湿気と暑さにめげそうになる気分を晴らしてくれるあっさりとした一杯です。添える楽曲には涼やかなものを選びました。

「晴れない気分の時はつけ麺に限る」

6月だというのに既に真夏日予報も出てます。でも晴れたところで湿気も多く真夏日の前にまずは梅雨だろう?という素朴な疑問もここ数年の気象のブレですっかり慣れてきました。何といっても「季語」という言葉もあるくらい四季を楽しめるのが日本の良いところだったのですけどね。そんなモヤっとした気分はつけ麺で晴らすに限る。

前回に引き続き魚介由来の出汁を引き煮干し香を立たせたつけ汁を作る予定でしたが、キッチンに向かう前に立ち寄ったスーパーであさりの特売品を見つけたので急遽「あさりの塩つけ麺」に変更しました。相変わらず自由にやらせてもらってます。
今回の工程は特に難しいところや、面倒な手間はありません。基本の魚介系の出汁とあさり出汁のダブルスープは提供前に合わせます。そこにあおさ海苔を乗せることで潮の香りが引き立たせます。あさりや酒など塩気もあるので塩ダレは控えめに。
この手のスープは冷めるとさらに貝の旨味が上がってくるので完飲は必須。今回はトッピングでトマトのおでんを添えました。つけ汁の中で突き崩すことでグルタミン酸も加わって楽しい味変が完成します。

そんな晴れない気分の6月です。遅い春の風の名前に「貝寄せ」というこれまた季語として俳句に登場する言葉もありますが、そんな風流な気分で選曲してみました。音楽だけでも涼やかに過ごしたいものです。

※プレイリストの再生にはSpotifyのアカウントが必要です。

“あさりの塩つけ麺~貝寄せ風~”のつくり方

材料材料 (2人分)

中華麺280g(つけ麺用)
★ 魚介だし
・ 水2L
・ 鰹厚削り節一掴み
・ 干し貝柱10g
・ 利尻昆布1枚
・ 干し椎茸5g
・ 片口鰯の煮干し50g
・ 桜エビ適量
・ 玉ねぎ1個
・ 生姜20g
・ 梅干し一個
★ あさりだし
・ あさり300g
・ 水250cc
・ 酒250cc
・ 鷹の爪一本
六助の塩小さじ2
★ あさり油
・ 白締め油100cc
・ あさりの身適量(だしがら)
★ トッピング
・ あおさ海苔少量
・ 煮卵2個
・ メンマ適量
・ トマトのおでん2個
・ アスパラガス適量
・ 白ねぎ適量
・ 酢橘適量

1魚介だしをつくる

材料をすべて鍋に入れ、一晩置いておく。鍋を火にかけ、沸騰しない程度の温度を保ちながら1時間煮る。だしが充分に出たら濾す。

2あさりだしをつくる

あさりだしの材料を鍋に入れ火にかける。沸騰したら、弱火にしてだしの量が300cc程度になるまで煮出して濾す。

あさりだしをつくる

3あさり油をつくる

②で出来たあさりのだしがらを小鍋に移し、白締め油を加え火にかける。香りが出てきたらあさり油の完成。

4トッピングの下ごしらえ

トッピングの白ねぎ千切りにする。アスパラガスはゆでて、火が十分に通ったら氷水でしめる。

5麺をゆでる

麺を表示通りの時間でゆでる。

6スープをつくる

鍋に①を500ccと②を300ccを鍋に入れて温める(分量外です。一人前のスープの目安は300cc)あおさは後乗せでもOK。

スープをつくる

7つけ汁をつくる

つけ汁を入れる器に塩を加え、③を大さじ2加える。⑥を流しいれる。

8麺を入れる

麺を入れる用の丼にゆであがった⑤を入れ白ねぎとに卵をのせる。その他のトッピングを別皿にのせれば完成。

完成

文:須永辰緒 写真:竹之内祐幸

須永 辰緒

須永 辰緒 (Sunaga t experience =須永辰緒によるソロ・ユニット含むDJ/プロデューサー)

Sunaga t experience =須永辰緒によるソロ・ユニット含むDJ/プロデューサー。 DJプレイでは国内47都道府県を全て踏破。また各国大使館と連動して北欧諸国=日本の音楽交流に尽力、世界各国での海外公演は多数。ジャズ・コンピレーションアルバム 『須永辰緒の夜ジャズ』は20作以上を継続中。国内外の多数のリミックスワークに加えソロ・ユニット"Sunaga t experience"としてアルバムは6作を発表。