須永辰緒のMUSIC&RAMEN
香りを楽しむ"三つ葉そば"|須永辰緒のMUSIC&RAMEN⑩

香りを楽しむ"三つ葉そば"|須永辰緒のMUSIC&RAMEN⑩

自他ともに認めるラーメンマニアかつ、レコード番長の異名を持つ人気DJ須永辰緒さんが、ラーメンレシピとともに、そこに込めたテーマや思いをもとに組んだ音楽のプレイリストをご紹介する連載「須永辰緒のMUSIC&RAMEN」。第10回は煮干しを贅沢に使った、すっきりとしたラーメンです。そんな一杯に添えるのは「和」を感じる楽曲です。

「煮干しを効かせた香り高い三つ葉そば」

今回からの3杯は動物系(豚や牛由来の素材)不使用にしました。僕がそもそもそのタイプのラーメンが好きだということもありますが、動物系の仕込みはある程度覚える手間が必要になりますので、初心者ならむしろこちらが作りやすいかも、という理由で紹介します。

いつも使うテクニックに「水出し」がありますが、火加減さえ気をつければその工程は省き(沸騰させないことに注意し続けないといけないし、時間はかかりますが)3時間程度煮込めば驚くほど旨味の詰まったスープができますよ。

今回初めて使う食材は「煮干し」。不揃いの煮干しはスーパーの特売品で結構です。但し独特の匂いや苦味が出るので頭とハラワタの部分は取り除きます。その工程が一手間ですがそのくらいは頑張りましょう。1時間ほど沸騰させずに煮出したスープに塩だけで調味し、煮干し油を浮かべるだけでもうっとりするくらい美味しいのですが今回は更に和風に寄せるためと清涼感を加えたく、これでもか!という量の三つ葉を浮かべました。

三つ葉の香りと煮干しの香りの組み合わせ、ほぼ日本料理ですね。因みに「なると」を乗せてますが、余った「なると」はウスターソースと青のりで油炒めにするとビールに最高な肴になりますよ。

そんな今や日本の料理の定番となったラーメンに添える音楽です。『和』の感じ方はそれぞれですが今回のラーメンを思い出しつつ僕の考える『和』を具現化しました。ポケモンGOをしながら渡良瀬河川敷を散策したことがあります。それだって立派な『和』の楽しみ方じゃないですか?

※プレイリストの再生にはSpotifyのアカウントが必要です。

“三つ葉そば”のつくり方

材料材料 (2人分)

中華麺280g
★ 煮干しだし
・ 水2L
・ 鰹厚削り節一掴み
・ 干し貝柱10g
・ 利尻昆布1枚
・ 干し椎茸5g
・ 煮干し200g
・ 片口鰯の煮干し50g
・ 桜エビ適量
・ 玉ねぎ1個
・ 生姜50g
★ 煮干し油
・ 白絞油100cc
・ 片口鰯の煮干し20g
★ 醤油だれ
・ 醤油500cc
・ みりん100cc
・ ザラメ30g
・ 昆布5g
・ 梅干し2個
★ トッピング
・ 三つ葉一袋
・ なると適量
・ メンマ適量

1煮干しだしをつくる

煮干しは頭とハラワタを取り布袋などに入れる。煮干しだしのほかの材料とともに鍋に入れ、一晩置いておく。鍋を火にかけ、沸騰しない程度の温度を保ちながら1時間煮る。だしが充分に出たら濾す。

煮干しだしをつくる

2煮干し油をつくる

白絞油と片口鰯の煮干しを鍋に入れ、弱火にかける。10分ほどたったら香りを確認し、充分に香りが立っていたら完成。

煮干し油をつくる

3醤油だれをつくる

醤油だれの材料を鍋にいれ火にかける。一分ほど煮立たせたら冷ます。

4三つ葉をカットする

三つ葉を茎と葉に分けてカットする。

三つ葉をカットする

5麺をゆでる

麺を表示通りの時間でゆでる。

6スープを丼に注ぐ

鍋に①を400ccを入れ、加熱する。丼に③を40cc入れ、②を大さじ3程度加える。スープが温まったら丼に加える。

スープを丼に注ぐ

7麺を入れる

⑤がゆであがったら器に麺を入れる。

8仕上げ

トッピングをのせて完成。

仕上げ

文:須永辰緒 写真:竹之内祐幸

須永 辰緒

須永 辰緒 (Sunaga t experience =須永辰緒によるソロ・ユニット含むDJ/プロデューサー)

Sunaga t experience =須永辰緒によるソロ・ユニット含むDJ/プロデューサー。 DJプレイでは国内47都道府県を全て踏破。また各国大使館と連動して北欧諸国=日本の音楽交流に尽力、世界各国での海外公演は多数。ジャズ・コンピレーションアルバム 『須永辰緒の夜ジャズ』は20作以上を継続中。国内外の多数のリミックスワークに加えソロ・ユニット"Sunaga t experience"としてアルバムは6作を発表。