荻野恭子さんの手づくり調味料レシピ
すっきりとした旨味の"塩麻婆豆腐"

すっきりとした旨味の"塩麻婆豆腐"

甜麺醤の甘味を加えず、豆板醤と花椒の辛味を最大限に生かしたすっきりとした一品です。料理研究家の荻野恭子さんから、日々役立つ調味料を習いました。

“塩麻婆豆腐”のつくり方

本場四川へ行けば、麻婆豆腐にもさまざまなスタイルが。甜麺醤の甘さを加えず豆板醤の旨味と辛味、花椒のしびれを受け止めた豆腐と牛肉は、すっきりとした味わい。現地の豆腐は固いので、沖縄の島豆腐などを使っても。

材料材料 (2人分)

牛肉120g(切り落とし)
木綿豆腐300g
豆板醤小さじ1
A
・ 生姜1片分(みじん切り)
・ にんにく1片分(みじん切り)
B
・ 塩 小さじ1
・ 砂糖少々
・ 紹興酒大さじ1
・ 長ねぎ20g(みじん切り)
花椒小さじ1(ホールをすりつぶす)
胡麻油大さじ2

1豆腐をカットする

豆腐はキッチンペーパーで包んで軽く水気をきってから、大きめの一口大に切る。

2牛肉を刻む

牛肉は粗く刻み、分量の塩から少々をとってまぶす。

3牛肉を炒める

フライパンか中華鍋に油大さじ1を入れて中火で熱し、②を広げるように入れる。しばらく触らずに焼き、香ばしさが出たら全体を炒めて豆板醤を加える。しっかり炒めて香りが出たらAを加えて炒め合わせる。

牛肉を炒める

4豆腐を加える

③に①を入れて全体を合わせたら、Bと水1/2カップ(材料外)を順に加えながら混ぜ合わせて豆腐の中までしっかりと温め、残りの油、花椒をからめる。器に盛り、好みで花椒(分量外)をふる。

豆腐を加える
完成

教える人

料理研究家 荻野恭子

料理研究家 荻野恭子

料理研究家。世界中を旅しながら現地の家庭やレストランで料理を習い、食文化を研究するのがライフワーク。これまでに訪れた国は65カ国以上。特に“塩”は長年追いかけ続けているテーマの一つで、近著に『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)がある。ほかに『手づくり調味料のある暮らし』(暮しの手帖社)など著書多数。自宅で料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」を主宰。

※この記事の内容は、『四季dancyu 2022夏』に掲載したものです。

四季dancyu 2022夏
四季dancyu 2022夏
A4変型判(120頁)
2022年6月8日発売/1,100円(税込み)

文:鹿野真砂美 撮影:伊藤徹也

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。