荻野恭子さんの手づくり調味料レシピ
ご飯のお供にも酒のアテにも大活躍!"なめ味噌4種"

ご飯のお供にも酒のアテにも大活躍!"なめ味噌4種"

白飯にのせればご飯が無限に進んでしまいそうなご飯泥棒かつ、ちびちび呑むのがやめられなくなるつまみにもなる、バリエーション豊かななめ味噌をご紹介します。料理研究家の荻野恭子さんから、日々役立つ調味料を習いました。

ねぎと胡麻が効いた旨味味噌“魚味噌”のつくり方

なめろうをイメージして青魚でつくりましたが、もちろん、白身魚でも。お酒の締めにさらさらっとお茶漬けにしても最高です。

材料材料 (つくりやすい分量)

あじ*75g(刺身用)
生姜大さじ1(みじん切り)
大さじ2
砂糖大さじ1/2
味噌50g
長ねぎ大さじ3(みじん切り)
白すり胡麻大さじ1/2

*魚は白身魚でもおいしいのでお好みで。

1あじをたたく

あじは包丁で細かくたたいてミンチにする。

2炒める

鍋に①と生姜、酒を入れて中火にかけ、全体がなじんだら砂糖、味噌を加えて混ぜ、水分をとばすように炒める。

3仕上げ

ねぎと胡麻を加え、さらに1~2分炒める。冷蔵庫で2週間ほど保存可能。

牛肉と唐辛子のコク“韓国風味噌(サムジャン)”のつくり方

唐辛子を効かせた甘辛の肉味噌は、野菜に添えたりご飯にのせたり、サムジャン(包み味噌)として葉っぱで包んで食べるのもお薦め。麻婆豆腐のベースにも使えますよ。

材料材料 (つくりやすい分量)

牛挽き肉*100g
A
・ にんにく大さじ1(みじん切り)
・ 生姜大さじ1(みじん切り)
・ 長ねぎ 大さじ1(みじん切り)
B
・ 味噌100g
・ 酒大さじ1と1/2
・ 砂糖大さじ1と1/2
胡麻油小さじ2
粉唐辛子大さじ1/2(韓国産)
白胡麻大さじ1/2

*挽き肉は合挽き肉や豚挽き肉などお好みで。

1挽き肉を炒める

フライパンに油を熱し、挽き肉を入れて強火でさっと炒めたら、Aを加えてさらに炒め、香りを出す。

2調味料を加える

Bを混ぜ合わせて①に加え、全体をざっと混ぜ合わせたら、唐辛子、胡麻を加え、少し水気が残る程度まで炒める。少しゆるいくらいで火を止めても、冷めると固くなる。もしくは、水気がなくなるまでしっかりと煮詰め、ポロポロに仕上げてもよい。冷蔵庫で1ヶ月ほど保存可能。

春の定番、使い道多数!“木の芽味噌”のつくり方

木の芽を贅沢にたっぷりと加え、鮮烈な香りを楽しみます。
そのままでお酒のつまみはもちろん、豆腐の田楽などにもぴったり。

材料材料 (つくりやすい分量)

木の芽10g
A
・ 味噌100g
・ 酒大さじ3
・ みりん大さじ3
・ 砂糖30g

1味噌を火にかける

鍋にAを入れて混ぜ合わせ、中火にかける。木ベラで混ぜながら、もったりとしてツヤが出るまで練り、粗熱を取る。

2木の芽の下ごしらえ

木の芽の軸を取り除き、葉をすり鉢でする。変色しやすいので使う直前にするとよい。

3仕上げ

粗熱が取れた①に②を加えてよく混ぜる。冷蔵庫で1ヶ月ほど保存可能。

甘めがおいしい“ピーナッツ味噌”のつくり方

味噌の甘さの中から弾ける、落花生の香ばしさがたまりません。
甘いけれどつまみにもおかずにも、おやつにもなる、不思議と後を引くおいしさ。

材料材料 (つくりやすい分量)

落花生100g(殻をむいたもの)
A
・ 味噌100g
・ 砂糖30g
・ みりん大さじ1
・ はちみつ大さじ1
植物油 小さじ1
白胡麻小さじ1

1落花生を煎る

フライパンに油を熱し、落花生を入れて弱火で香ばしく色づくまで煎る。

2味噌と混ぜる

①にAを加えて混ぜ合わせ、中火で2~3分炒める。胡麻を加えて火を止める。冷蔵庫で1ヶ月ほど保存可能。

完成

教える人

料理研究家 荻野恭子

料理研究家 荻野恭子

料理研究家。世界中を旅しながら現地の家庭やレストランで料理を習い、食文化を研究するのがライフワーク。これまでに訪れた国は65ヶ国以上。特に“塩”は長年追いかけ続けているテーマの一つで、近著に『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)がある。ほかに『手づくり調味料のある暮らし』(暮しの手帖社)など著書多数。自宅で料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」を主宰。

※この記事の内容は、『四季dancyu 2023春』に掲載したものです。

四季dancyu 2023 春
四季dancyu 2023 春
A4変型判(120頁)
2023年3月10日発売/1,200円(税込)

文:鹿野真砂美 撮影:伊藤徹也

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。