大原千鶴さんのすりながしのいろは
クリーミーで香り高い"きのこのすりながし"

クリーミーで香り高い"きのこのすりながし"

お好きなきのこをミックスして、濃厚でクリーミーなきのこのすりながしはいかがでしょうか?すりながしとは、野菜などをすりおろしてだしと合わせた、しみじみとおいしい汁もの。ことこと煮込むことをしない、素材を生かすシンプルな和の伝統的なスープです。だしや素材を工夫する楽しさと、洋風など無限に広がるおいしさの一端を、京都在住の大原千鶴さんに教わりました。

“きのこのすりながし”のつくり方

きのこ

3種類以上のきのこを使うと、香りが立ち、味わいがぐっと深まります。
すりながしだけでも十分においしいものですが、バター醤油味のカキのムニエルを合わせるとごちそう感が増します。

材料材料 (2人分)

好みのきのこ類合わせて100g(エリンギ・椎茸・舞茸など)
A
・ にんにくの薄切り2~3枚
・ 白ワイン大さじ1
・ オリーブオイル小さじ1
豆乳1/2カップ
小さじ1/4
カキ2個
バター5g
小麦粉適量
醤油少々
粗挽き黒胡椒少々
すだち少々

1きのこの下準備

きのこは石突きなどのかたい部分を落とし、一口大ほどの大きさに切る。鍋に入れ、Aを加えて蓋をして中火で蒸し焼きにする。

きのこの下準備

2豆乳を加える

きのこがしんなりとしたら、豆乳を加え、沸騰直前に火を止める。ハンドブレンダー(あるいはミキサー)にかけてなめらかにし、塩で味をととのえる。

豆乳を加える

3カキを焼く

カキは塩水で軽く洗い、キッチンペーパーを敷いたバットにあげて水気をきっておく。フライパンにバターを入れて中火にかけ、小麦粉をまぶしたカキを並べる。両面をサッと焼き、カキがぷっくりとふくらんだら、醤油を加えて全体にからめる。

4盛りつける

②を温めて器に盛り、③のカキをのせて胡椒をふり、すだちの薄切りを添える。

完成
数種類のきのこを合わせると、濃厚な旨味を発揮!スパークリングワインや白ワインがぴったりだ。きのこを増やして濃度を上げるときのこソースになり、魚のムニエルやパスタのソースにおすすめ。

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

おおはら・ちづる 京都・花背の料理旅館「美山荘」が生家。NHK「きょうの料理」、NHK BS4K「あてなよる」にレギュラー出演。京都の暮らしで培ったしなやかな感性でつくる家庭料理と酒肴に定評がある。これまで30冊以上の料理本、エッセイを上梓している。

文:西村晶子 写真:福森クニヒロ

この記事は技ありdancyu!「スープ」に掲載したものです。

技あり!dancyuスープ
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A4変型判(112頁)
2020年12月18日発売 / 880円(税込)
西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。