大原千鶴さんのすりながしのいろは
とろりと濃厚で滋味深い"トマトのすりながし"

とろりと濃厚で滋味深い"トマトのすりながし"

完熟トマトでつくると、濃厚でとろとろのすりながしになります。塩辛いアンチョビがいいアクセント。すりおろしてから加熱しても美味しく、めんつゆで割るとそうめんつゆになり、パスタにも合わせられる万能なすりながしです。すりながしとは、野菜などをすりおろしてだしと合わせた、しみじみとおいしい汁もの。ことこと煮込むことをしない、素材を生かすシンプルな和の伝統的なスープです。だしや素材を工夫する楽しさと、洋風など無限に広がるおいしさの一端を、京都在住の大原千鶴さんに教わりました。

“トマトのすりながし”のつくり方

トマトはすりおろすとへたと皮が自然に残り、果肉と果汁100%の濃厚なジュースになります。
塩で味つけし、アンチョビや塩レモンを加えると、滋味深いすりながしになります。

材料材料 (2人分)

トマト 1~2個
少々
アンチョビ1枚
塩レモン適量(*)
イタリアンパセリ適宜(好みの香味野菜でよい)

*レモン(1個分)の薄切りと、レモンの重量の10%の塩を清潔な容器に入れて常温で2~3日おいておいたもの。冷蔵庫で1ヶ月保存可。

1アンチョビを刻む

アンチョビは刻み、塩レモンは切り込みを入れる。

2トマトをすりおろす

トマトはおろし器で皮ごとすりおろし、塩を加えて混ぜ、器に盛る。上に1のアンチョビと塩レモンをのせ、彩りにイタリアンパセリの葉を飾る。

ブレンダーにかける

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

おおはら・ちづる 京都・花背の料理旅館「美山荘」が生家。NHK「きょうの料理」、NHK BS4K「あてなよる」にレギュラー出演。京都の暮らしで培ったしなやかな感性でつくる家庭料理と酒肴に定評がある。これまで30冊以上の料理本、エッセイを上梓している。

この記事は技ありdancyu!「スープ」に掲載したものです。

技あり!dancyuスープ
技あり!dancyuスープ
A4変型判(112頁)
2020年12月18日発売 / 880円(税込)

文:西村晶子 写真:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。