完熟トマトでつくると、濃厚でとろとろのすりながしになります。塩辛いアンチョビがいいアクセント。すりおろしてから加熱しても美味しく、めんつゆで割るとそうめんつゆになり、パスタにも合わせられる万能なすりながしです。すりながしとは、野菜などをすりおろしてだしと合わせた、しみじみとおいしい汁もの。ことこと煮込むことをしない、素材を生かすシンプルな和の伝統的なスープです。だしや素材を工夫する楽しさと、洋風など無限に広がるおいしさの一端を、京都在住の大原千鶴さんに教わりました。
トマトはすりおろすとへたと皮が自然に残り、果肉と果汁100%の濃厚なジュースになります。
塩で味つけし、アンチョビや塩レモンを加えると、滋味深いすりながしになります。
トマト | 1~2個 |
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塩 | 少々 |
アンチョビ | 1枚 |
塩レモン | 適量(*) |
イタリアンパセリ | 適宜(好みの香味野菜でよい) |
*レモン(1個分)の薄切りと、レモンの重量の10%の塩を清潔な容器に入れて常温で2~3日おいておいたもの。冷蔵庫で1ヶ月保存可。
アンチョビは刻み、塩レモンは切り込みを入れる。
トマトはおろし器で皮ごとすりおろし、塩を加えて混ぜ、器に盛る。上に1のアンチョビと塩レモンをのせ、彩りにイタリアンパセリの葉を飾る。
おおはら・ちづる 京都・花背の料理旅館「美山荘」が生家。NHK「きょうの料理」、NHK BS4K「あてなよる」にレギュラー出演。京都の暮らしで培ったしなやかな感性でつくる家庭料理と酒肴に定評がある。これまで30冊以上の料理本、エッセイを上梓している。
この記事は技ありdancyu!「スープ」に掲載したものです。
文:西村晶子 写真:福森クニヒロ