大原千鶴さんのすりながしのいろは
まったりと優しい美味しさ"銀杏のすりながし"

まったりと優しい美味しさ"銀杏のすりながし"

すりながしにしても独特の香りが感じられる銀杏スープ。ミネラルやビタミンが豊富に含まれた滋養スープです。すりながしとは、野菜などをすりおろしてだしと合わせた、しみじみとおいしい汁もの。ことこと煮込むことをしない、素材を生かすシンプルな和の伝統的なスープです。だしや素材を工夫する楽しさと、洋風など無限に広がるおいしさの一端を、京都在住の大原千鶴さんに教わりました。

“銀杏のすりながし”のつくり方

モチモチとした食感の銀ぎん杏なんは、すりながしにすると“まったり”。味つけは塩ひとつまみだけで十分のおいしさです。
温かくしても冷やしてもおいしくいただけます。濃厚なスープに合わせて、胡麻麩をカリッと焼きました。

大原流水だし

冷水ポットに水1Lを入れ、利尻昆布5g、だしパック用の袋に入れた鯖や宗田鰹など混合の削り節10gを加え、3時間以上おく。冷蔵庫で冬場なら3日ほど、夏場なら2日ほど保存可能。

材料材料 (2人分)

銀杏60g(殻を取ったもの)
A
・ だし1カップ
・ 塩小さじ1/8
胡麻麩60g
太白胡麻油小さじ1(サラダ油でも可)
小麦粉少々
少々
クコの実適宜(あれば)

1銀杏の下準備

銀杏とひたひたの水を小鍋に入れて中火にかけ、やわらかくなったらお玉をあてながら軽く転がして薄皮をはがし、ザルにあげる。

銀杏の下準備

2ブレンダーにかける

縦長のボウルなどに薄皮を取った①の銀杏とAを入れ、ハンドブレンダー(あるいはミキサー)にかけてなめらかにする。

ブレンダーにかける

3胡麻麩を焼く

2cm角に切った胡麻麩の両面に小麦粉をまぶしつける。フライパンに胡麻油を入れて中火にかけ、胡麻麩の両面をこんがりと焼いて塩をふる。

4盛りつける

②を温めて器によそい、③のごま麩をのせ、あればクコの実を飾る。冷やしてもおいしくいただける。

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

おおはら・ちづる 京都・花背の料理旅館「美山荘」が生家。NHK「きょうの料理」、NHK BS4K「あてなよる」にレギュラー出演。京都の暮らしで培ったしなやかな感性でつくる家庭料理と酒肴に定評がある。これまで30冊以上の料理本、エッセイを上梓している。

文:西村晶子 写真:福森クニヒロ

この記事は技ありdancyu!「スープ」に掲載したものです。

技あり!dancyuスープ
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A4変型判(112頁)
2020年12月18日発売 / 880円(税込)
西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。