
発売中のdancyu夏号「夏はガツンと肉中華」特集では、思わず息を呑むような美しさと、名店ならではの繊細で奥行きのある味わいが魅力的な“超絶技巧中華”を紹介!東京を代表する2軒の中国料理店に、レシピを教わりました。一品目は、日本のみならず海外の食いしん坊をも虜にしている南麻布「茶禅華」の雲白肉です。
2026年dancyu夏号「夏はガツンと肉中華」特集では、錚々たる中華の名店にレシピを教えてもらい、紹介している。そのうちの一軒、「茶禅華(さぜんか)」は日本で唯一“ミシュラン三つ星”を獲得している中国料理店だ。
そんな名店のスペシャリテともいえる“雲白肉(ウンパイロウ)”のつくり方を、誌面では紹介している。雲のようにとろける食感が特徴的な雲白肉だが、味の決め手は2つの調味料だ。3種の唐辛子を使ってつくる“辣油”と、上品な甘味とコクの“甜醤油”は、いずれも他とは一線を画す味わい、奥行きを持っている。
WEBでは、前後編で「茶禅華」の雲白肉のレシピを紹介します。
前編となる今回は、まず調味料のつくり方を掲載。
控えめに言って、再現度が高いこの2品。一度つくれば数ヶ月楽しめる上、何にかけても料理が抜群においしくなります!
| ★ 甜醤油の材料 | (つくりやすい分量) |
|---|---|
| ・ 甜醤油ベース | 50g(下記参照) |
| ・ 醤油 | 5g |
| ・ にんにく | 5g(すりおろす) |
| ★ 甜醤油ベースの材料 | (家庭でつくりやすい最小分量) |
| 醤油 | 500g |
| 氷砂糖 | 500g |
| 水 | 400~500g |
| 五香粉 | 5g |
鍋に醤油と氷砂糖を入れて中火にかけ、焦がさないようゴムベラで底から混ぜながら砂糖を溶かしていく。

醤油が沸いたら火を弱める。鍋の側面にこびりついた醤油は焦げやすいのでゴムベラできれいに落としながら、ポコポコと静かに対流するくらいの火加減で絶えず混ぜ続ける。

1時間ほど加熱し、上から垂らしたときにツーッとゆるく粘度をもって落ち、泡が多くなってきたら、水100gを加える。混ぜながら再び沸かし、同様に粘度が増したら水100gを加える工程を繰り返し、加熱する。煮詰めるのが目的ではなく、焦がさないよう減った分の水分を注ぎ足しながらゆっくりと煮るイメージ。消えない泡はまめに取り除く。

合わせて2時間ほど加熱したら、五香粉を加えて軽く煮る。最終的な量は、火にかけ始めの5分の4くらいが目安。軽いとろみと香ばしさがつき、色合いが黒っぽくなる。冷めると硬くなるので、ちょっとゆるいかな、くらいで問題ない。ここで火からおろして網で漉す。密閉容器に入れ、冷蔵庫で1~2ヶ月保存可能。

④の甜醤油ベース50gに分量の醤油とにんにくを混ぜ合わせ、甜醤油をつくる。
| A | |
|---|---|
| ・ 白絞油 | 3L |
| ・ シナモン | 2.5g |
| ・ 八角 | 1g |
| ・ クローブ | 1g |
| ・ 長ねぎの青い部分 | 16g(3cmに切る) |
| ・ 生姜 | 10g(スライス) |
| 花椒 | 1g |
| B | |
| ・ 朝天辣椒粉 | 180g |
| ・ 一味唐辛子 | 170g(韓国産) |
| ・ 一味唐辛子 | 150g(国産) |
| ・ 色粉 | 4g |
| ・ 水 | 67g |
※各分量を半分にしてつくってもよい。その場合、シナモンや八角など微量のものは分量据え置き。
鍋にAを入れて火にかけ、180℃まで加熱したら花椒を加える。190℃まで上がったら香辛料と長ねぎ、生姜を取り除く。
①を加熱する間に、大きめのボウルにBを入れてよく混ぜ合わせ、全体に水を吸わせる。マイルドな朝天辣椒粉、旨味のある韓国産一味唐辛子、辛味の強い国産一味唐辛子をブレンドするのがポイント。きれいな色を出すために色粉を少々加える。

190℃に上がった①を②に少しずつ加えながらかき混ぜる。上だけが焦げないよう、絶えずヘラを動かしながら何度かに分けて油を加え、すべて入ったら香りがとばないよう熱いうちにホイルを被せて一日休ませ、網で漉す。密閉容器に入れて冷蔵庫で保存。長く置きすぎると油が酸化するので3~4ヶ月で使い切る。


文:鹿野真砂美(レシピ) 撮影:伊藤徹也