
シェフがもし家で酒場を開いたら、どんなつまみを出すのだろう……。という妄想でスタートしたdancyuWEB連載「ようこそ!俺酒場」が、dancyu2026年夏号に登場。『田舎の大鵬』渡辺幸樹シェフに俺酒場メニューを5品考案していただきました。5品目は、たっぷりの鶏だしとフェンネルでつくる雑炊、鶏肉烂飯(ジーロウランファン)です。
ご機嫌に食べ進み、飲み進んだ頃合いにシェフは言った。
「締めは温かいものを胃に入れたくなりません? そろそろ雑炊にしましょう」
大賛成!
満を持して、さっきつくった鶏料理の副産物であるスープがコンロへ。具材のささみをゆでて、旨味をブーストする。ねぎを合わせると和風になるところだが、バサッと加えたのはフェンネルの葉。甘やかで清涼な香味と鶏だしの優しい滋味に、しばし陶然となる。
「雲南省の雑炊はフェンネル入りが定番。フェンネルは胃腸の調子を整えてくれて、飲みすぎにもいいんですよ。……なわけで、どぶろくもう一杯いっちゃいます?」
中国の山村へ迷い込んだ気がしたのは、きっと酔いのせいだけじゃない。夏の家飲みを格上げする5品、ぜひマスターすべし!
| 鶏ささみ | 3本 |
|---|---|
| スープ | 1L(1品目(檸檬酸辣鶏)のゆで汁) |
| ご飯 | 180g |
| 塩 | ふたつまみ |
| フェンネル | 10g(ざく切り) |
| 卵 | 1個(4品目(搾菜炒鶏丁)の残り。溶きほぐす) |
沸騰したスープにささみを入れ、再度沸騰したら弱火に落として8分ゆでる。火を止め、蓋をして30分置く。ささみを取り出して水分を拭き取り、手でほぐす。

スープを漉してから鍋に戻し、ご飯を入れ、米粒が躍るぐらいの火加減で10分ほど煮る。1のささみを加えて3分ほど煮込み、塩を加えて混ぜる。火を止めてフェンネルを加え、卵を回し入れて軽く混ぜ合わせる。



1981年京都生まれ。父が開いた「大鵬」に2006年に入店し、親子で腕を振るう。四川や雲南を中心に中国にも足繁く通い、現地の技術を吸収。2021年「田舎の大鵬」をオープンした。

文:本庄 彩 撮影:エレファント・タカ