夏はガツンと肉中華
【巣鴨・中洞】じんわり辛くて食べるほどクセになる、コシなしやわ麺。「肉そぼろ和え麺」のつくり方②(仕上げ編)

【巣鴨・中洞】じんわり辛くて食べるほどクセになる、コシなしやわ麺。「肉そぼろ和え麺」のつくり方②(仕上げ編)

暑いからこそ、パンチの利いたものが食べたくなる! 発売中の「dancyu」夏号では、旨くて辛くて香りがよくて、思わずお腹が鳴るような肉たっぷりの中華を特集しています。今回はその中から、「四川家庭料理 中洞」の看板料理・肉そぼろ和え麺をご紹介します。

四川・成都のストリートフード!

四川料理の麺とくれば、日本で真っ先に名前が挙がるのが担担麺だ。ところが本場・四川省成都市では、今や意外と見つけるのが難しい。むしろ、街のあちこちで見かけるのは素椒麺(スージャオメン)。辣油、花椒油、焙煎唐辛子などを合わせたキレのあるたれで、白いストレート麺を和え、わしわしとかき込むのが彼の地の日常だ。

そんな成都の市井の美味を、店主・中洞新司さんの感性で仕立てた「中洞」の“肉そぼろ和え麺”は、開業以来の看板料理。具は潔く、粗挽きの豚肉とゆで野菜のみ。箸で麺をたぐり寄せるたび、ぷんぷんと放たれる麻辣の香りを浴びて、気づけばぺろり。食べ終わるや否や、さらに一杯いけそうな気分になるから困る。

「麺は主役であり脇役」という中洞さんの言葉通り、麺を食べているのに麺の存在を忘れそうになるのは、無かん水のクセのない麺、自家製の香味油、調味料のバランスがなせる業だ。

ポイントは麻と辣の二つの油。花椒はコクと痺れのある赤、柑橘香のある青を合わせ、粗挽きにした直後に油に香りを移す。唐辛子は色、香り、甘味、コクが引き出されるよう、3種類をブレンドしてから油を投入。鮮烈な香りを保つため、「花椒は遮光袋に入れて、冷凍保存が鉄則」で、唐辛子は鮮度のいいうちに使い切る。

さらに味の土台を支えるのが、醤油、黒酢、ねぎ、にんにくなど、身近な調味料で描く「中華の味」。肉そぼろはしっとりと仕上げ、麺となじむ食感にするのが中洞流。「粗挽きなら食べごたえが出て、細挽きなら麺とよくからみます」。

こうして出来上がったたれと麺とを混ぜて混ぜて混ぜまくり、丼の中で渾然一体となったてらてらの麺を見た瞬間、理屈抜きで腹が減る。そして、一心不乱に食べ終えて、軽く汗ばんでから気づくのだ。コク、程よい辛さ、混ぜるほど立ち上る香り、飽きのこない美味しさ。「中洞の四箇条」は、まさにこの一杯のことじゃないか、って。

肉そぼろ

材料材料 (つくりやすい分量)

豚挽き肉300g(*)
醤油大さじ1
中国たまり醤油大さじ1/2(老抽)

*店では6.5mmの粗挽き肉を使用。肉粒がしっかりとして食べごたえが出る。一般的な挽き肉だと麺とのからみがよりよくなる。

1豚肉を炒める

鍋を熱し、ごく強火で豚挽き肉を焦がさないよう炒める。

豚肉を炒める

2調味する

豚挽き肉からしみ出た濁った油が透き通ってきたら、醤油と中国たまり醤油を加えて調味する。肉に臭みを感じる場合は紹興酒大さじ1/2(分量外)を加えるとよい。

調味する

3仕上げ

全体に色が回り、豚臭さが消えたら完成。

仕上げ

肉そぼろ和え麺

材料材料 (1人分)

★ 和え麺だれ(つくりやすい分量 ※1人分は20gを使用する)
A
 ├ 醤油100g
 ├ 中国黒酢20g
 ├ 中国たまり醤油20g(老抽)
 ├ 砂糖大さじ1
 ├ 花椒油10g(下記参照)
 └ 焙煎唐辛子粉小さじ1(煎った唐辛子を粉末にしたもの)
140g(*)
B
 ├ 辣油大さじ1強(下記参照)
 ├ 辣油の沈殿物小さじ1/3(下記参照)
 ├ スープ大さじ1(水でも可)
 ├ 芝麻醤4滴
 ├ 長ねぎ小さじ1強(みじん切り)
 ├ にんにくひとつまみ(叩いてからみじん切り)
 ├ 生姜ひとつまみ(叩いてからみじん切り)
 └ 芽菜小さじ1/2(ヤーツァイ)
肉そぼろ大さじ2(上記参照)
キャベツ適量(チンゲン菜でも可)

*店では、無かん水の特注麺を使用しているが、素麺や冷や麦を使ってもよい。

1和え麺だれをつくる

Aを上から順に混ぜ合わせる。

和え麺だれをつくる

2調味料を混ぜ合わせる。

器に①20gとBを入れて、混ぜ合わせる。

3野菜と麺をゆでる

キャベツはさっとゆで、水気をきる。麺をゆでて②の器に盛り、肉そぼろとキャベツをのせれば完成。麺にたれがからむように、熱いうちによく混ぜるのがポイント。

完成

教える人

中洞新司 「四川家庭料理 中洞」店主

中洞新司 「四川家庭料理 中洞」店主

調理師学校卒業以来、中華一筋。各店で修業を積み、四川省成都市へ渡航。語学留学を兼ね、本場の味を体に叩き込んだ。帰国後は神楽坂「芝蘭」料理長を経て、自身の店を開いた。

店舗情報店舗情報

四川家庭料理 中洞
  • 【住所】東京都文京区千石4‐43‐5
  • 【電話番号】03‐5981‐9494
  • 【営業時間】11:30~13:30(L.O.)、17:30~20:30(L.O.)
  • 【定休日】月曜、火曜(祝日の場合は営業、翌平日休み)
  • 【アクセス】JR・都営地下鉄「巣鴨駅」より7分
26年夏号「夏はガツンと肉中華」
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蒸し暑い季節、体が本当に求めるのは明日への活力となる強い味!それは中華、特に肉料理だとdancyuは考えました。dancyu2026年夏号では、旨味・辛味・香りが心地よく、ガツンと食べごたえのある〝肉中華〟を提案します!渾身の53レシピです。

dancyu2026年夏号
A4変型判(160頁)
2026年6月5日発売/1,500円(税込)

文:佐藤貴子 撮影:安彦幸恵