台湾でよく食べられている「酸菜白肉鍋」を家庭でもつくりやすい内容にアレンジ。本来は酸っぱくなった白菜の古漬けを使いますが、古漬けまでいかなくてもOK。凍り豆腐や春雨を入れて仕上げます。漬物を入れると発酵成分のおかげでスープに旨味やコクが加わり、クセになるおいしさです。料理研究家の大庭英子さんに野菜が美味しいおうち中華レシピを教えてもらいました。
★ 発酵白菜 | (つくりやすい分量) |
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├ 白菜 | 正味1kg |
└ 塩 | 30g(白菜の重量の3%) |
木綿豆腐 | 1丁 |
豚バラ肉 | 400g(薄切り) |
春雨 | 80g(乾燥) |
中華スープの素 | 小さじ1 |
酒 | 大さじ3 |
香菜 | 1束分(ざく切り) |
生姜 | 1片分(すりおろす) |
豆板醤 | 適量 |
発酵白菜をつくる。白菜は根元の大きな芯を切り落とし、3等分の長さに切る。縦幅5〜6mmの細切りにし、葉先の部分は幅1〜2cmに切る。
保存袋に①を入れ、塩を加え、袋の外から全体に塩が回るように混ぜる。空気を抜いて袋の口を閉じ、常温で3〜4日置く。
ここで使うのは600g程度。軽く汁気を絞っておく。使わない分は冷蔵庫に入れて保存する。
豆腐はパックのまま冷凍庫に一晩入れて凍らせ、パックから取り出して解凍し、両の手のひらで挟んで水気を絞る。これが凍り豆腐。
凍り豆腐は半分に切って厚さ8mmに切る。豚肉は2〜3等分の長さに切る。春雨はたっぷりの熱湯で2分ほどゆで、食べやすい長さに切る。
鍋に水7〜8カップ、中華スープの素、酒を入れて火にかけ、煮立ったら豚肉を1枚ずつ広げて入れ、蓋をして弱火で7〜8分煮る。凍り豆腐、発酵白菜を加えて煮る。香菜、生姜、豆板醤を添える。
料理研究家歴40年、ジャンルを超えた幅広いレパートリーを持ち、家庭的なおいしさが多くの支持を得ている。その豊富な経験から中華料理のレシピも数多く持ち、プライベートでも中華料理が大好き。近著に『68歳、ひとり暮らし。きょう何食べる?』(家の光協会)、『大庭さんちの保存食』(文化出版局)などがある。
この記事は『四季dancyu 2023 冬』に掲載したものです。
文:松原京子 写真:木村 拓