手づくり調味料に加え、麺まで自家製という力作レシピです!手間はかかりますが、美味しさは格別です!ぜひ挑戦してみてください。料理研究家の荻野恭子さんから、日々役立つ調味料を習いました。
材料も少なくてまな板でつくれる、麺。実は、慣れればそう難しくないのです。豆板醤と合わせると、やみつきのおいしさ!
強力粉 | 150g |
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薄力粉 | 150g |
水 | 150g |
塩 | 小さじ1/2 |
打ち粉 | 適量(強力粉) |
ボウルに2種類の粉を入れ、ゴムベラで混ぜ合わせる。粉はふるわなくても大丈夫。
水と塩を混ぜ合て塩水をつくり、1に注いでゴムベラで全体を湿らせるように混ぜる。
まだ粉っぽさが残りつつも全体がまとまってきたら、手でこね始める。
片手でボウルを回しながら、もう片方の手のひらの付け根で生地を押すとやりやすい。
粉気がなくなり全体がまとまったら生地を丸め、ラップをして室温で30分以上ねかせておく。
生地をねかせた状態。表面がつるっとなめらかで、よくのびて扱いやすくなる。この状態で冷凍保存も可能。生地を平たくしておくと早く自然解凍できる。
まな板を縦に置いて打ち粉をし、6の生地の半量をのせて麺棒でのばす。打ち粉は上からもたっぷりと。
ときどき麺棒に生地を巻きつけて転がしながら縦長にのばし、まめに打ち粉をしながら15×40㎝くらいまでのばす。
のばした生地を屏風のように折りたたみ、幅5mmに切る。包丁を手前から奥へ押すようにするときれいに切れる。
打ち粉をたっぷりとまぶしながら両手でほぐし、まな板に押し付けるようにして生地をもみ、ちぢれ麺にする。
中国で一般的に親しまれている麺といえば、うどん。いろいろな料理に幅広く応用できるよう塩もあまり入れず、粉と水だけで打つ。粉を練ったもの全般を“麺”と呼ぶので、この生地を仕込んでおけば餃子の皮も簡単につくれる。冷蔵庫で長時間ねかせれば「老麺(ラオミェン)」という発酵生地になるので、これを元だねにしてパンを焼くことも可能。
★ 肉味噌 | |
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・ 牛豚合い挽き肉 | 100g |
・ 塩 | 小さじ1/4 |
・ にんにく | 1片分(みじん切り) |
・ 生姜 | 1片分(みじん切り) |
・ 干し海老 | 大さじ1(みじん切り) |
・ 豆板醤 | 小さじ2 |
・ 醤油 | 大さじ2 |
・ 酢 | 大さじ1/2 |
・ 白すり胡麻 | 大さじ1 |
・ 植物油 | 大さじ1 |
手打ち麺 | 2人分 |
もやし | 1袋 |
にら | 2本分(長さ1cmに切る) |
長ねぎ | 4cm分(白髪ねぎにする) |
ラー油※ | 適量 |
※ラー油を手づくりする場合:ボウルに粗挽き唐辛子小さじ1、花椒(すりつぶしたもの)小さじ1、白胡麻小さじ1/2を入れ、煙が出るまで熱した胡麻油大さじ4をかけて混ぜる。
挽き肉に塩をまぶしておく。
フライパンに植物油を入れて中火で温め、①とにんにく、生姜、干し海老を入れ、火を弱めて軽く炒めたところへ豆板醤を加え、香りが立つまでさらに炒める。
②の火を止めてから、醤油、酢、胡麻を混ぜ合わせる。
鍋にたっぷりの湯を沸かし、もやしをザルに入れてさっと湯通しして水気をきる。
④の鍋に麺を入れ、中火でゆでる。吹きこぼれないよう注意し、全体が浮き上がってきたら、さらに2〜3分、しっかりとゆでて湯をきる。
器ふたつにゆで上げた麺を半量ずつ入れ、もやし、③の肉味噌、にら、白髪ねぎをそれぞれ盛り付け、ラー油適量を回しかける。
料理研究家。世界中を旅しながら現地の家庭やレストランで料理を習い、食文化を研究するのがライフワーク。これまでに訪れた国は65カ国以上。特に“塩”は長年追いかけ続けているテーマの一つで、近著に『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)がある。ほかに『手づくり調味料のある暮らし』(暮しの手帖社)など著書多数。自宅で料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」を主宰。
※この記事の内容は、『四季dancyu 2022夏』に掲載したものです。
文:鹿野真砂美 撮影:伊藤徹也