荻野恭子さんの手づくり調味料レシピ
手づくりの美味しさが詰まっている"汁なし担々麺"

手づくりの美味しさが詰まっている"汁なし担々麺"

手づくり調味料に加え、麺まで自家製という力作レシピです!手間はかかりますが、美味しさは格別です!ぜひ挑戦してみてください。料理研究家の荻野恭子さんから、日々役立つ調味料を習いました。

“手打ち麺”のつくり方

材料も少なくてまな板でつくれる、麺。実は、慣れればそう難しくないのです。豆板醤と合わせると、やみつきのおいしさ!

材料材料 (4人分)

強力粉150g
薄力粉150g
150g
小さじ1/2
打ち粉適量(強力粉)

1粉を混ぜる

ボウルに2種類の粉を入れ、ゴムベラで混ぜ合わせる。粉はふるわなくても大丈夫。

粉を混ぜる

2塩水を加える

水と塩を混ぜ合て塩水をつくり、1に注いでゴムベラで全体を湿らせるように混ぜる。

塩水を加える

3手でこねる

まだ粉っぽさが残りつつも全体がまとまってきたら、手でこね始める。

手でこねる

4生地を押すようにこねる

片手でボウルを回しながら、もう片方の手のひらの付け根で生地を押すとやりやすい。

生地を押すようにこねる

5ねかせる

粉気がなくなり全体がまとまったら生地を丸め、ラップをして室温で30分以上ねかせておく。

ねかせる
ねかせる

6よくのびるか確認する

生地をねかせた状態。表面がつるっとなめらかで、よくのびて扱いやすくなる。この状態で冷凍保存も可能。生地を平たくしておくと早く自然解凍できる。

よくのびるか確認する

7生地をのばす

まな板を縦に置いて打ち粉をし、6の生地の半量をのせて麺棒でのばす。打ち粉は上からもたっぷりと。

生地をのばす

8充分な大きさまでのばす

ときどき麺棒に生地を巻きつけて転がしながら縦長にのばし、まめに打ち粉をしながら15×40㎝くらいまでのばす。

充分な大きさまでのばす

9切る

のばした生地を屏風のように折りたたみ、幅5mmに切る。包丁を手前から奥へ押すようにするときれいに切れる。

切る
切る

10ほぐす

打ち粉をたっぷりとまぶしながら両手でほぐし、まな板に押し付けるようにして生地をもみ、ちぢれ麺にする。

ほぐす

完成した麺の使い方

中国で一般的に親しまれている麺といえば、うどん。いろいろな料理に幅広く応用できるよう塩もあまり入れず、粉と水だけで打つ。粉を練ったもの全般を“麺”と呼ぶので、この生地を仕込んでおけば餃子の皮も簡単につくれる。冷蔵庫で長時間ねかせれば「老麺(ラオミェン)」という発酵生地になるので、これを元だねにしてパンを焼くことも可能。

手打ち麺

汁なし担々麺

材料材料 (2人分)

★ 肉味噌
・ 牛豚合い挽き肉100g
・ 塩小さじ1/4
・ にんにく1片分(みじん切り)
・ 生姜1片分(みじん切り)
・ 干し海老大さじ1(みじん切り)
・ 豆板醤小さじ2
・ 醤油大さじ2
・ 酢大さじ1/2
・ 白すり胡麻大さじ1
・ 植物油大さじ1
手打ち麺2人分
もやし1袋
にら2本分(長さ1cmに切る)
長ねぎ4cm分(白髪ねぎにする)
ラー油※適量

※ラー油を手づくりする場合:ボウルに粗挽き唐辛子小さじ1、花椒(すりつぶしたもの)小さじ1、白胡麻小さじ1/2を入れ、煙が出るまで熱した胡麻油大さじ4をかけて混ぜる。

1挽き肉に塩をする

挽き肉に塩をまぶしておく。

2具材を炒める

フライパンに植物油を入れて中火で温め、①とにんにく、生姜、干し海老を入れ、火を弱めて軽く炒めたところへ豆板醤を加え、香りが立つまでさらに炒める。

3調味料を混ぜる

②の火を止めてから、醤油、酢、胡麻を混ぜ合わせる。

調味料を混ぜる

4もやしを湯通しする

鍋にたっぷりの湯を沸かし、もやしをザルに入れてさっと湯通しして水気をきる。

5麺をゆでる

④の鍋に麺を入れ、中火でゆでる。吹きこぼれないよう注意し、全体が浮き上がってきたら、さらに2〜3分、しっかりとゆでて湯をきる。

6仕上げ

器ふたつにゆで上げた麺を半量ずつ入れ、もやし、③の肉味噌、にら、白髪ねぎをそれぞれ盛り付け、ラー油適量を回しかける。

完成

教える人

料理研究家 荻野恭子

料理研究家 荻野恭子

料理研究家。世界中を旅しながら現地の家庭やレストランで料理を習い、食文化を研究するのがライフワーク。これまでに訪れた国は65カ国以上。特に“塩”は長年追いかけ続けているテーマの一つで、近著に『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)がある。ほかに『手づくり調味料のある暮らし』(暮しの手帖社)など著書多数。自宅で料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」を主宰。

※この記事の内容は、『四季dancyu 2022夏』に掲載したものです。

四季dancyu 2022夏
四季dancyu 2022夏
A4変型判(120頁)
2022年6月8日発売/1,100円(税込み)

文:鹿野真砂美 撮影:伊藤徹也

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。