「飛龍頭」とはがんもどきの関西風の呼び名です。大和芋を使うことでふわっと仕上がります。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
古い器を扱う店でよく見かける蓋付き碗。蓋をあけたときに湯気や香りが立ち上る様子が、食べる人の気持ちを盛り上げてくれる演出となります。
盛りつけたのは自家製飛龍頭。一口かじれば揚げたての香ばしさが押し寄せて、えも言われぬおいしさです。中がふわっと、外側はかりっとした仕上がりの秘訣は大和芋を使うこと。揚げたてに塩や大根おろしを添えれば、つまみに最高。
つくって冷凍しておけば、おでんの具にしたり、あと一品というときにも便利です。
豆腐 | 700g(木綿) |
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ごぼう | 60g |
生きくらげ | 大3枚 |
にんじん | 30g |
むき海老 | 100g |
大和芋 | 100g |
卵白 | 1個分 |
ぎんなん | 12個(殻をむく) |
A | |
├ 塩 | 小さじ1/2 |
└ 砂糖 | 小さじ2 |
揚げ油 | 適量(新しいもの) |
豆腐は最初の重量の7割くらいになるまで、しっかりと水気をきる。
ごぼうはごく細かいささがきにし、水にさらす。きくらげとにんじんは、2cm長さのごく細いせん切りにする。むき海老は塩水で洗って背ワタを取り、細かく切ってから包丁でさらにたたく。
大和芋の皮をむき、すり鉢の溝ですりおろす。1の豆腐を裏ごししてから加える。
卵白とAを加え、すりこ木で混ぜ合わせる。すりこ木が動かなくなるほど重くかたくなるまで、すり混ぜる。2を加え、木ベラでまんべんなく混ぜる。
12等分し、手水をつけながら丸い偏平形に成形する。ぎんなんを1個ずつ中央に埋める。
揚げ油を180℃に熱し、5を入れる。強火できつね色寸前までさっと揚げてからいったん取り出し、火を弱めて160℃に下げてから再び入れ、中心まで火が通るようじっくりと揚げる。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
※この記事の内容は、四季dancyu「冬のレシピ」に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:伊藤徹也