だしの風味と程よい甘さが嬉しい厚焼き卵です。しっかりと焼き目をつけるのが、美味しさの秘密です。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
実家では、普段の卵焼きはだし巻き卵で、お正月だけが甘い卵焼きでした。だから今でも甘い卵焼きにはどこか特別感があって、食べると気持ちが華やぎます。深い海のようなブルーの皿にのせれば、卵の明るいイエローがパッと映えて美しい。卵焼きは、卵焼き器に押し付けるようにして角のエッジをきっちり出すことと、強めの火加減で焼き色をしっかりつけることがポイント。ぐんとおいしく見えるようになりますよ。
卵 | 4個 |
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A | |
・ 一番だし | 70ml |
・ 醤油 | 大さじ1/2 |
・ 砂糖 | 20g |
・ 塩 | ひとつまみ |
植物油 | 適量 |
Aを小鍋に入れ、火にかける。沸騰はさせず、砂糖と塩が溶けたら火を止め、粗熱を取る。
ボウルに卵を割り入れ、箸を立てて手早く混ぜる。白身が大きければちぎるように混ぜる。1を合わせ、箸を立てて混ぜる。
卵焼き器を強めの中火で熱して油を入れ、2をレードル1杯分流し込む。大きな気泡をつぶしながら焼き、表面が半熟になったら、奥から手前に三つ折りにする。奥に寄せ、あいた部分に油をひく。同様に2をレードル1杯分流し込み、卵焼きを少し持ち上げて下にも流し入れる。大きな気泡をつぶしながら焼き、表面が半熟になったら、今度は卵焼きを奥から手前に二つ折りにたたむ。この作業を2がなくなるまで繰り返す。仕上げに卵焼き器の手前に油をひき、卵焼きを四隅に押し当てて角を出しながら、側面を焼く。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
※この記事の内容は、四季dancyu「冬のレシピ」に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:伊藤徹也