しっとりと仕上がるように火を通したローストポークと、にんにくの風味をまとったドフィノワはちょっとしたご馳走です。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
母が大切にしていた〈ローゼンタール〉の洋皿。深い藍色のリムにゴールドの花柄のトリミングがクラシカルな雰囲気です。実家ではデザート皿として使われていたけれど、こんなふうにローストポークをのせてドフィノワを添えれば、聖夜にもぴったりの華やかさ。
つけ合わせには、誰にでも喜ばれる定番メニュー、ドフィノワを。にんにくバターをかけてからねかせることで、味がしっかりとなじんでおいしくなります。新じゃがを使う場合は水っぽくなりやすいので、クリームを多めに調整して。
★ 塩豚のロースト | |
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豚肩ロース肉 | 1kg(塊) |
粒が細かい塩 | 12g |
胡麻油 | 大さじ1(非焙煎) |
A | |
・ 塩 | 3g(大きめの粒のもの) |
・ 黒胡椒 | 少々(粗めに包丁で砕く) |
・ セージ | 8枚分(みじん切り) |
・ フェンネルシード | 小さじ2 |
★ ドフィノワ | |
じゃがいも | 中4個(約750g)(ひね男爵) |
にんにく | 4片分(約20g)(みじん切り) |
バター | 20g |
岩塩 | 小さじ1と1/2 |
白胡椒 | 少々 |
B | |
・ 牛乳 | 200ml |
・ 生クリーム | 100ml(乳脂肪分45%以上) |
豚肉全体をフォークで刺し(脂部分は特にしっかりと深く刺す)、粒の細かい塩を全体にすり込む(脂部分は多めに)。ラップできっちりくるみ、冷蔵庫で一晩ねかせる。
冷蔵庫から出し、キッチンペーパーで水気を拭き、室温にもどす。胡麻油を全体に塗る。表面にAをしっかりまぶす。
フライパン(オーブン対応のもの)にのせ、110℃のオーブンで60分ほど焼く。
3をコンロにのせて中火にかけ、出た脂をすくってかけながら表面に焼き色をつける。火を止め、豚肉をアルミホイルで包み、1時間おく。1cm厚さに切る。
じゃがいもはよく洗い、皮付きのまま5mm厚さに切る。
にんにくとバターを小さなフライパンに入れて、弱火にかける。フライパンをかたむけて、にんにくがバターに浸かるようにしながら加熱する。香りが出てきたら火を止め、ボウルに移す。
耐熱容器に5を並べ、底が埋まったら、岩塩をしっかりふり、6を全体に塗り、白胡椒をふる。この作業を繰り返して段を重ねる。Bを混ぜ合わせて流し込み、表面が出るようなら、生クリーム(分量外)をひたひたになるまで加える。塩、白胡椒を全体にふり、冷蔵庫に入れて1時間~半日ねかせる。
アルミホイルをかぶせ、120℃のオーブンで40分焼く。アルミホイルを取り、180℃に温度を上げて、表面全体に焦げめがつくまで、15~20分ほど焼く。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
※この記事の内容は、四季dancyu「冬のレシピ」に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:伊藤徹也