大根おろしの絞り汁まで、余すことなくを使います。そこに梅干しの酸味が加わり、滋味深く体に染み渡るスープです。酒肴家・稲垣知子さんによれば、飲むタイミングも含めてスープは酒呑みにとって大事な存在。今回は稲垣さんの薬膳や栄養学の知識をもとに、弱った肝臓や胃をいたわる「お酒呑み」のためのスープづくりを習いました。
大根おろしの絞り汁も使い、大根の有効成分を余さずゲット!梅干しの適度な酸味は、薬膳では肝臓を元気にするといわれている。
胃の不調を改善させ、消化促進効果が期待できるジアスターゼを含んでいる。また、特有の辛味成分の前駆体であるグルコシノレートは解毒機能を強化するともいわれる。
大根 | 1/2カップ(すりおろし) |
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梅干し | 1個 |
いりこだし | 300ml |
しょっつる | 小さじ2 |
醤油 | 少々 |
大根おろしはザルにあげて軽く絞り、汁をとっておく。梅干しは種を取って軽くつぶす。
鍋にいりこだし、大根おろしの絞り汁、梅干し、しょっつるを入れて中火にかけ、一度しっかり煮立たせる。味をみて醤油を加えて少し濃いめの味にととのえる。
大根おろしを器に盛り、2のスープを注いで梅肉をのせる。
雑誌、書籍、料理教室などで日本酒に合う料理を教えている。薬膳にも造詣が深く、今回は薬膳や栄養学の知識と、長年の飲酒経験(?)を生かした「お酒呑み」のためのスープを提案。
文と構成:佐々木香織 撮影:宮濱祐美子