冬の野菜で体を元気に!
爽やかな香りが心地よい、せりたっぷりの"カムジャタン"

爽やかな香りが心地よい、せりたっぷりの"カムジャタン"

香りがよく、シャキシャキとした歯ごたえも魅力のせりをたっぷり使った韓国鍋です。濃厚な旨味がありますが、せりの効果で爽やかに楽しめます。寒さが深まり、畑に霜がおり始めると、冬の野菜は甘味を増します。夏に比べると地味な印象の冬野菜ですが、穏やかで、じんわりとした美味しさが楽しめます。そんな野菜の息吹が感じられる、魅力にあふれる野菜料理を料理研究家の植松良枝さんに教えてもらいました。

“カムジャタン”のつくり方

豚の背骨とじゃがいもを煮込んだ韓国で愛されている煮込み鍋。少量の煮干しで奥行きのある味わいに。煮干しは控えめに加えるのがポイントです。たっぷり入れるえごまの葉を、香りの強いせりにアレンジしてつくりました。

材料材料 (3~4人分)

豚スペアリブ600g
じゃがいも3個(約400g)
玉ねぎ中1個
せり2束
煮干し3尾
えごま実大さじ2(すりつぶす)
4カップ
A
・ にんにく2片分
・ 生姜2片分(すりおろし)
・ コチュジャン大さじ1と1/2
・ 味噌大さじ2
・ 酒大さじ1
・ 醤油大さじ1
・ 粉唐辛子大さじ1(韓国産)
・ 胡麻油大さじ1
★ トッピング用
・ えごま実適量(すりつぶす)
・ 一味唐辛子適量

1下ごしらえ

スペアリブは肉と骨の間にキッチンばさみで切り込みを入れる。じゃがいもは皮をむき、2~3等分に切る。玉ねぎは幅2cmのくし形に切る。せりは長さ6~7cmに切る。煮干しはワタを取り除く。

2焼きつける

鍋にたっぷりの湯を沸かし、スペアリブを入れて再び煮立ったら中火にして3~4分下ゆでし、ザルにあげる。煮込み用の鍋に胡麻油をひいてスペアリブを入れ、全面を香ばしく焼きつける。

3調味料を加える

じゃがいも、玉ねぎを加えて炒め合わせたら混ぜ合わせたAを加えてなじませ、水、煮干し、えごま実を加える。

4仕上げ

蓋をして30分煮込み、仕上げにせりを加えてさっと煮る。トッピング用のえごま、一味唐辛子をふる。鍋の後は白いご飯をなじませて食べるのがおすすめ。

完成

教える人

植松良枝 料理研究家

植松良枝 料理研究家

料理研究家。人気の料理教室「日々の飯事」主宰。自ら畑を耕すほどの野菜好き。野菜の旬をいち早く察知し、料理をつくる。みなぎる野菜の力に、つくり手の食いしん坊パワーがプラスされた料理は、食べ手の鼻と舌を魅了する。食を通して季節の移り変わりを提案。また、花や雑貨と料理のコラボレーションの提案や数々のイベント企画など、活動は多岐にわたる。近著に『春夏秋冬ふだんのもてなし』(KADOKAWA刊)がある。

文:中村裕子 写真:野口健志

この記事は四季dancyu「冬のキッチン」に掲載したものです。

四季dancyu「冬のキッチン」
四季dancyu「冬のキッチン」
A4変型判(120頁)
2020年12月10日発売/1000円(税抜き)
中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。