油を吸ったジューシーななすと、旨味たっぷりの挽き肉をピリ辛味で仕上げる麻婆なす。ご飯のお代わりが止まらないおかずです。中華鍋は炒める、揚げるはお手のもの、加えて燻(いぶ)すもできる万能調理器具!そんな中華鍋だからつくれるダイナミックな料理を、料理研究家の大庭英子さんに習いました。
なすが色鮮やかに仕上がるのは中華鍋の鉄効果です。
麻婆なすが成功したら、麻婆豆腐や麻婆春雨にもトライ!
鍋肌の曲線を利用して、レードルの底を挽き肉に押しつけながら火を通します。レードルの底で中華鍋に押しつけては全体を返し、を繰り返しながら炒めると、挽き肉全体にムラなく火が通るから、驚くほどポロポロの仕上がりに。口の中でもボソボソしない、きめの細かい挽き肉炒めに驚くはず。
なす | 4個 |
---|---|
豚挽き肉 | 150g |
揚げ油 | 適量 |
サラダ油 | 小さじ1 |
長ねぎ | 大さじ3(みじん切り) |
にんにく | 小さじ1(みじん切り) |
生姜 | 小さじ1(みじん切り) |
豆板醤 | 小さじ1/2~1 |
酒 | 大さじ2 |
水 | 1/2カップ |
砂糖 | 小さじ1 |
醤油 | 大さじ2 |
★ 水溶き片栗粉 | (混ぜ合わせる) |
・ 片栗粉 | 大さじ1と1/2 |
・ 水 | 大さじ3 |
胡麻油 | 小さじ1 |
なすはへたを切り、ピーラーで皮を縦に3本むいてから1個を4~5等分の乱切りにする。
中華鍋に揚げ油を高温(180℃)に熱し、なすの1/2量を入れて2~3分、なすがやわらかくなるまで揚げて取り出し、残りも同様に揚げる。
中華鍋の油をあけ、洗って水気を拭き、サラダ油を中火で熱して挽き肉を入れて、レードルの底で中華鍋に押しつけるようにしては返し、を繰り返しながら炒め、肉の色が変わってポロポロになったら、ねぎ、にんにく、生姜を入れて香りが出るまで炒める。
豆板醤を加えてよく炒め、酒をふり、水を加えて煮立ってきたら、砂糖、醤油を加えて混ぜ、蓋をして弱火で8~10分煮て挽き肉の旨味を煮汁に出す。
なすを入れて混ぜ、ひと煮して水溶き片栗粉でとろみをつける。最後に胡麻油をふり、器に盛る。
身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。
文:中村裕子 写真:原ヒデトシ
※この記事は四季dancyu「夏の台所。」に掲載したものです。