酒肴研究家の稲垣知子さんによる“純米だし醤油”を「かける」だけで、名酒肴へと早変わりのおつまみレシピ四品を紹介します。
一品目は“イカ刺しの黄身添え”。生醤油を“純米だし醤油”に変えると、気のきいた酒肴が出来上がります。
二品目は、茄子のふくよかな旨味と甘味がよく引き出された“冷やし焼き茄子”。
三品目に、ただの生醤油をかけたおひたしが食べられなくなる“青菜のおひたし”を。
そして四品目は、“薄切りマグロの山かけ”。薄切りのマグロを使って、優しく一体感のある酒肴に仕上げます。
普段使いの生醤油を純米だし醤油へ変えてみませんか。日本酒を呼ぶ名酒肴が完成します。
イカ(刺身用) | 1ぱい分 |
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卵黄 | 1個分 |
純米だし醤油 | 適量 |
イカの刺身をそうめん状に切って器に盛り、中心に卵黄をのせる。
純米だし醤油をお好みで回しかける。
よく混ぜて食べると、純米だし醤油がイカと卵黄をひとつにまとめ、とろけてまったりした味わいになります。お好みで青じそや刻んだわさび、濃口の胡麻油などを添えてもおいしいひと皿。
茄子 | 2個 |
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鰹節 | 適量 |
純米だし醤油 | 適量 |
茄子は皮にところどころ穴をあけ、魚焼きグリルまたはトースターでやわらかくなるまで焼く。
熱いうちに皮をむき、粗熱が取れたら冷蔵庫でよく冷やす。茄子から出る汁は捨てないこと。
茄子はへたを落とし、5cm程度の長さに切って、食べやすい大きさに手で裂く。
器に盛り、冷やす際に出た茄子の汁をかけ、鰹節をたっぷりのせる。
純米だし醤油をお好みの量かけて、よく混ぜて食べる。
純米だし醤油をかけることで、茄子の旨味と甘味が引き立ち、落ち着いた芳醇な香りが生きてきます。手で細かく裂くことで純米だし醤油がよくなじみ、しっとりシャクシャクした食感が楽しい一品です。
おかひじき | 適量 |
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ほうれん草 | 適量 |
塩 | 少々 |
鰹節 | 適量 |
純米だし醤油 | 適量 |
辛子 | 適量 |
たっぷりの湯に塩少々を加え、おかひじきとほうれん草をそれぞれ色よくゆでる。おかひじきはさっと30秒程度、ほうれん草は茎の部分を先に湯に入れ、30秒ほどしたら葉も入れて再び30秒程度ゆでる。
ぞれぞれゆで上がったら氷水にさらし、しっかり絞って水気を取ったら、幅4~5cmに切って皿に盛る。
鰹節や辛子を添えて、純米だし醤油をお好みの量をかける。
シンプルなおひたしも純米だし醤油の旨味でぐっとおいしくなります。醤油よりも塩気が少なく旨味があるので、青菜の風味が生かされ、食べ飽きしません。ほかにも好きな青菜をお好みでどうぞ。日本酒は、おだやかな旨味のある酒を合わてみてください。
マグロ(赤身) | 1サク |
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大和芋 | 適量 |
おろしわさび | 適量 |
純米だし醤油 | 適量 |
マグロは薄切りにして皿に盛る。
大和芋は洗って水気を拭き、コンロでひげを軽くあぶって焼く。皮のままおろし金ですりおろし、1に添える。
おろしわさびをのせて、純米だし醤油をかけて出来上がり。
薄く切ったマグロを使うのは、大和芋をくるんで食べるのがおすすめだから。純米だし醤油が海のものと山のもののいいつなぎ役になり、調和した味わいにしてくれる洗練の山かけです。
明後日(2019年10月5日)は“純米だし醤油”を「たれ」にしておつまみをつくります!
日本酒をこよなく愛する酒肴家、料理研究家。萩ふるさと大使でもあり、萩焼の作家有志とともに考案した沓形の酒器が好評(東京「籠屋 秋元商店」や神奈川「望月商店」などの酒販店で販売中)。著書に『日本酒マリアージュ』(誠文堂新光社)など。
文:山内聖子 写真:三浦英絵