冬野菜を楽しむおうち中華
パンチのある香りと味わい"豚バラ肉と椎茸、長ねぎの八角醤油煮"

パンチのある香りと味わい"豚バラ肉と椎茸、長ねぎの八角醤油煮"

豚肉を塊のままコトコト煮て、器に盛るときに切り分けるスタイル。干し椎茸、長ねぎ、青梗菜とともに大皿にドーンと盛りつけると、豪華に見えます。料理研究家の大庭英子さんに野菜が美味しいおうち中華レシピを教えてもらいました。

“豚バラ肉と椎茸、長ねぎの八角醤油煮”のつくり方

いつもは角切りにしてつくる「豚の角煮」を、大皿料理用にアレンジ。塊のままゆでた豚肉を、切り分けないでそのまま醤油味でコトコトと煮ます。

八角、赤唐辛子、生姜を入れた、パンチのある中華テイストが魅力。干し椎茸はもちろん、一緒に煮た長ねぎも甘くてジューシー。青梗菜は緑色を生かしたいから、塩ゆでにして添えます。

豚肉も野菜も、旨味たっぷりの餡をたっぷりからめていただきます。

材料材料 (3~4人分)

豚バラ肉600g(塊、室温に戻す)
少々
★ 下ゆで用
・ 水 2カップ
・ 紹興酒または酒大さじ4
・ 長ねぎ1本分(青い部分)
・ 生姜の皮1片分
・ にんにく1片分(薄切り)
干し椎茸8個(戻したもの ※)
干し椎茸の戻し汁適量
長ねぎ2本分(白い部分)
青梗菜2束
八角1個
赤唐辛子1本
生姜1片分(皮をむいて薄切り)
砂糖大さじ2
醤油大さじ4
★ 水溶き片栗粉
・ 片栗粉大さじ1/2
・ 水大さじ1
胡麻油大さじ1/2

※干し椎茸の戻し方…干し椎茸は洗ってボウルに入れ、たっぷりの水を注ぎ、浮いてこないように落とし蓋をのせ、冷蔵庫で一晩戻す。軽く水気を絞る。

1豚肉に焼き目をつける

フライパンに油を熱し、豚肉の脂身の部分を下にして入れ、中火で全体に焼き目をつける。ひっくり返して同様に焼き、キッチンペーパーで余分な脂を取る。

豚肉に焼き目をつける

2下ゆでする

①に下ゆで用の水、紹興酒を入れて煮立て、長ねぎの青い部分、生姜の皮、にんにくを加え、蓋をして弱火で1時間ほどゆでる。粗熱が取れたら冷蔵庫で一晩置く。

下ゆでする

3ゆで汁の脂肪を取り除く

翌日、表面に固まった白い脂肪、ねぎ、生姜の皮、にんにくを取り除く。豚肉とゆで汁をいったん取り出し、フライパンをきれいにして戻す。汁気が少ないようなら、干し椎茸の戻し汁を加えて2カップ程度にする。

ゆで汁の脂肪を取り除く

4野菜類をカットする

干し椎茸は軸を切る。長ねぎは長さ4cmに切り、浅く3本切り込みを入れる。青梗菜は縦4つに切って塩ゆでし、水気を絞って食べやすい長さに切る。

野菜類をカットする

5煮る

③のフライパンを火にかけ、煮立ったら八角、唐辛子、生姜、干し椎茸、砂糖、醤油の半量を加え、蓋をして弱火で10~15分煮る。残りの醤油を加えてさらに20~30分煮、ねぎを加えて5分ほど煮る。

煮る

6餡をつくる

豚肉を取り出して縦半分に切り、厚さ2cmに切る。煮汁は再び火にかけ、水溶き片栗粉を回し入れてとろみをつけ、胡麻油をふる。

餡をつくる

7仕上げ

器に豚肉、干し椎茸、ねぎ、④の青梗菜を盛り、⑥の餡をかける。ご飯にのせてもおいしい。

完成

教える人

大庭英子 料理研究家

大庭英子 料理研究家

料理研究家歴40年、ジャンルを超えた幅広いレパートリーを持ち、家庭的なおいしさが多くの支持を得ている。その豊富な経験から中華料理のレシピも数多く持ち、プライベートでも中華料理が大好き。近著に『68歳、ひとり暮らし。きょう何食べる?』(家の光協会)、『大庭さんちの保存食』(文化出版局)などがある。

この記事は『四季dancyu 2023 冬』に掲載したものです。

四季dancyu 2023 冬
四季dancyu 2023 冬
A4変型判(120頁)
ISBN:9784833482431
2023年12月13日発売/1,200円(税込)

文:松原京子 写真:木村 拓

松原 京子

松原 京子 (フードエディター&ライター)

食をメインとした雑誌や料理の書籍などで企画・編集・執筆を手がける。この業界に入って早うん十年、やれ試食だ試作だ、新しい店ができたんだって、この店の味は残さなきゃ、と外食を続けているうちに体重が増え続け、20代の頃の倍の重さに!(本当に倍の数字です)。一口じゃおいしさなんてわからない、全部食べてこそ真意がわかると思っている。家では真っ当な調味料と安全な食材でつくるシンプルな料理を心がける。