様々な食文化と歴史的背景がからみあって形づくられてきた、アメリカの郷土菓子。日本ではまだなじみが薄いけれど、ぜひ知ってほしい魅力的なものがたくさんあります。各地の郷土菓子に魅せられた菓子文化研究家の原亜樹子さんが、お薦めのアメリカ菓子の物語とレシピをご紹介。今回は「キーライムパイ」つくり方編です。
★ <グラハム生地> | |
---|---|
・ グラハムクラッカー | 65g |
・ バター | 35g(食塩不使用) |
★ <フィリング> | |
・ 卵黄 | 2個分 |
・ 練乳 | 150g |
・ キーライム果汁 | 60g(ほかのライム果汁でも可) |
★ <トッピング> | |
・ 生クリーム | 80g(乳脂肪分35%) |
・ 粉砂糖 | 小さじ1/2 |
・ キーライム果汁 | 小さじ1/3(ほかのライム果汁でも可) |
・ ココナッツロング | 10g(お好みで) |
◇下準備
・バターを1cm角にカットし、卵黄とともに常温にもどしておく。
・ココナッツロングを150℃のオーブンで10分、焦げないようにローストする。
・オーブンを180℃に予熱する。
先にグラハム生地をつくる。グラハムクラッカーをポリ袋に入れ、袋の口を閉じる。麺棒などで叩いて粉末状にする。
ボウルにバターを入れて湯煎、またはレンジで溶かす。1を加え、ゴムベラで混ぜる。型に指を使って底と側面にすきまなく敷き込む。
180℃のオーブンで10分焼く。網に取り、冷ます。オーブンの温度を160℃に下げる。
ボウルに卵黄を入れて泡立て器ですり混ぜる。さらに練乳、ライム果汁を順に加え、そのつどなめらかになるまですり混ぜる。
とろみがついてきたら型に流し入れ、ゴムべらで表面を平らにならす。
160℃のオーブンで15分焼く。焼き上がりは、型を軽くゆするとフィリングがゆれる状態でよい。粗熱が取れたら冷蔵庫に入れ、しっかり冷やす。
氷水を当てたボウルに生クリーム、ライム果汁、ふるった粉砂糖を入れる。泡立て器でゆるく角が立つまで泡立てる。
6の上にへらで塗り広げ、ローストしたココナッツロングを飾る。
日米の高校を卒業後、大学で食をテーマに文化人類学を学ぶ。国家公務員から転身し、アメリカの食を中心に取材や執筆、レシピ製作を行う。著書に『アメリカ郷土菓子』(PARCO出版)、『アメリカンクッキー』(誠文堂新光社)など。2023年9月に発売した新刊『アメリカ菓子図鑑 お菓子の由来と作り方』も好評。https://haraakiko.com/
文:鈴木美和 撮影:鈴木泰介