大庭英子さんの食べ飽きない定番レシピ
酸味で軽やかに食べる"イワシの梅煮"

酸味で軽やかに食べる"イワシの梅煮"

いわしの脂気は梅干しの酸味と好相性!実は鍋にすべての材料を入れて煮るだけの簡単レシピなんです。じゅわっとジューシーな和のおかず、ぜひつくってみてください。料理名を聞いたら、味を浮かべることができる、そんな、誰もが知っているおなじみのおかずを、料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。

イワシの下処理

頭と内臓を取る

イワシの下処理
①イワシはあればウロコを包丁でこそげ取り、胸ビレのつけ根のところに包丁を入れて頭を切り落とす。
イワシの下処理
②頭のほうから肛門まで包丁を入れて腹を斜めに切り落とす。
イワシの下処理
③内臓を包丁の先でかき出す。
イワシの下処理
④水で腹の中を洗う。
イワシの下処理
⑤水気をよく拭く。キッチンペーパーで腹の中の水気も拭く。

“イワシの梅煮”のつくり方

ミネラルやクエン酸が多く含まれている伝統的な健康食品の梅干しと栄養たっぷりのイワシの共演。難しいイメージがあるかもしれませんが、鍋にすべての材料を入れて煮るだけ。実はとても簡単につくれる魚料理なのです。

材料材料 (2〜3人分)

イワシ6尾
梅干し3個
生姜1片
1/3カップ
1カップ
味醂大さじ2
醤油大さじ2

1イワシの下処理

イワシは上記を参照して下処理をして水気を拭く。

2生姜の下準備

生姜は皮をむいて厚さ5mmの輪切りにしてから幅5mmの棒状に切る。

3鍋に材料を並べる

鍋に経木(きょうぎ)またはオーブンペーパーを敷き、イワシを並べる。生姜、生姜の皮を散らし、梅干しを手で種と身に分けながら散らす。

鍋に材料を並べる
[ポイント]イワシはやわらかくて身がくずれやすいので、鍋に経木やオーブンペーパーを敷いてからイワシを並べ入れて煮つけます。経木ごと持ち上げれば、ヘラなどでイワシを取り出しやすく、きれいに盛りつけることができます。また、皮が鍋にくっつくのも防げます。

4煮る

酒をふり、水を入れて味醂、醤油を加え、中火にかける。煮立ってきたら落とし蓋をしてさらに蓋をして、火を弱め、途中、煮汁をかけながら、20~30分煮る。

煮る
[ポイント]イワシは隙間なく並べ、水と調味料を入れてから火にかけ、ゆっくりと火を通していきます。こうすると身がくずれにくく、ふっくらと煮上げることができます。
完成
イワシといえば、マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシがあり、栄養豊富な魚です。なかでも、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)をはじめとするn‐3系脂肪酸(オメガ3)を豊富に含んでいます。イワシ料理を上手に献立に組み入れれば、健康な体づくりに一役買うはずです。

教える人

大庭英子 料理研究家

身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。

※この記事の内容は、手ほどきdancyu「基本の は」に掲載したものです。

手ほどきdancyu 家庭の和食いろは 基本の“は”
手ほどきdancyu 家庭の和食いろは 基本の“は”
A4変型判(88頁)
ISBN:9784833477734
2019年03月28日発売/ 770円(税込)

文:中村裕子 写真:原 ヒデトシ

中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。