酒好きをいたわるスープ
冷えた身体を温める"タラとかぶのミルクスープ"

冷えた身体を温める"タラとかぶのミルクスープ"

暑い日が続きますが、空調で冷えた身体を温めることも大切です。優しい甘味が魅力のかぶと、しっとりしたタラがミルクスープで一体に。味噌のコクも手伝って胃が休まるスープです。酒肴家・稲垣知子さんによれば、飲むタイミングも含めてスープは酒呑みにとって大事な存在。今回は稲垣さんの薬膳や栄養学の知識をもとに、弱った肝臓や胃をいたわる「お酒呑み」のためのスープづくりを習いました。

“タラとかぶのミルクスープ”のつくり方

具には肝臓をいたわるタラと消化のよいかぶを。味噌のおだやかな風味が日本酒や焼酎の供に。ミルキーな味がワインなど洋酒にも合う。

いたわり食材「タラ」
いたわり食材「タラ」

薬膳上では「解酒」の効能があるとされる。肝臓の解毒機能を強化するといわれるタウリンも含んでいる。高タンパク低脂肪であることも、酒呑みにはありがたいポイント。

材料材料 (2人分)

生ダラ2切れ(約200g)
かぶ1個
にんにく1/2片
長ねぎ20cm
小麦粉適量
バター30g
牛乳300ml
小さじ1/2
西京味噌大さじ1
黒胡椒少々

1タラの下準備

タラは骨を除いて軽く塩(分量外)をふって冷蔵室で30分ほどおく。水気を拭いて大きめの一口大に切り、小麦粉適量をしっかりまぶす。

2材料の下準備

かぶは6等分のくし形に切り、皮を厚めにむく。葉は長さ2~3cmに切る。にんにくは薄切りにする。長ねぎは斜め薄切りにして小麦粉小さじ2をまぶす。牛乳は電子レンジ(牛乳モード)で熱めに温める。

3焼く

鍋にバター10gを入れて中火で熱し、かぶとタラを焼く。表面に軽く焼き色がついたら一度取り出す。

4炒める

3の鍋に残りのバターを加えて中火にかけ、にんにくとねぎをしんなりするまでよく炒める。

5西京味噌を溶く

温めた牛乳を加え、混ぜながらひと煮立ちさせたら弱火にして西京味噌を溶き入れる。

6煮る

タラとかぶを戻し入れ、かぶがやわらかくなるまで5分ほど煮る。かぶの葉を加えて軽く煮て、塩で味をととのえる。

7盛りつける

器に盛り、黒胡椒をふる。

完成
白い食材でつくるクリーミーなひと皿。身も(胃も!)心もほっと落ち着く。

教える人

稲垣知子 酒肴家

稲垣知子 酒肴家

雑誌、書籍、料理教室などで日本酒に合う料理を教えている。薬膳にも造詣が深く、今回は薬膳や栄養学の知識と、長年の飲酒経験(?)を生かした「お酒呑み」のためのスープを提案。

技あり!dancyuスープ
技あり!dancyuスープ
A4変型判(112頁)
2020年12月18日発売 / 880円(税込)

文と構成:佐々木香織 撮影:宮濱祐美子

佐々木 香織

佐々木 香織 (ライター)

福島出身の父と宮城出身の母から生まれ、東北の血が流れる初老の編集ライター。墨田区在住。食べることと飲むことが好き。お酒は何でも飲むが、とくに日本酒と焼酎ラヴァー。おもな仕事は新聞やウェブでの連載、雑誌や書籍の編集・取材・執筆。テーマは食べもの、お酒、着物など。