夏のスパイス&ハーブ料理
野菜の美味しさがギュッと凝縮した"ラタトゥイユカレー"

野菜の美味しさがギュッと凝縮した"ラタトゥイユカレー"

いつものラタトゥイユに数種類のスパイスを入れることで味が複雑になり、完成度の高いカレーになります。ターメリック色のバスマティーライスがよく合います。ピリッとしたスパイスや爽やかなハーブをつかった夏にぴったりの料理を、料理家の小堀紀代美さんに教えていただきました。

“ラタトゥイユカレー”のつくり方

夏野菜のもつ水分だけで煮込むから、野菜のおいしさがギュッと詰まって自然な甘味。
そして野菜だけのカレーなのに、旨味たっぷりで味に奥行きがあるのは、スパイスのおかげ。スパイスのパワーで力強いひと皿に仕上がります。

使用するスパイス

スパイス
シナモンスティック、カルダモンシード、クミンシード、赤唐辛子、にんにく、カレー粉、ガラムマサラ、カルダモンパウダー。ホールスパイスで香りや辛味をオイルに移し(スターターオイル)、パウダースパイスで料理の味をつくり上げる。

材料材料 (2人分)

なす2本
トマト1個
パプリカ1/4個(赤)
パプリカ1/4個(黄)
ズッキーニ1本
玉ねぎ1個
トマトペースト大さじ1
ローリエ1枚
小さじ1
砂糖ひとつまみ
バター15g
★ スターターオイル
・ オリーブオイル大さじ3
・ シナモンスティック1本
・ カルダモンシード5粒
・ クミンシード小さじ1
・ 赤唐辛子大1本分(半分に切る)
・ にんにく2片分(たたきつぶす)
★ パウダースパイス
・ カレー粉小さじ1
・ ガラムマサラ小さじ1
・ カルダモンパウダー小さじ1/2(あれば)
バスマティーライス適量

1野菜を切る

なす、トマト、パプリカはへたを取って一口大の乱切りにし、なすは塩水につけてアク抜きをし、水気をきる。ズッキーニ、玉ねぎも一口大の乱切りにする。

2スターターオイルを火にかける

鍋にスターターオイルの材料を入れて弱火にかけ、じっくりと火を通して香りを出す。

スターターオイルを火にかける
ホールスパイスはオリーブオイルとともに火にかけ、香りや辛味をオイルに移す。これがおいしさのベースになる。

3野菜を蒸し煮する

十分に香りが出たら、1の野菜、パウダースパイス、塩、砂糖、ローリエ、トマトペーストを加えて混ぜ、蓋をして弱火で10分ほど蒸し煮する。途中、鍋のふちから蒸気が出てきたら、鍋底から大きくかき混ぜる。

野菜を蒸し煮する
野菜を蒸し煮するときにパウダースパイスを入れる。野菜に香りがつくだけでなく、野菜の味を引き出すことができる。

4バターを加える

バターを加え、さらに10分ほど蒸し煮する。味をみて足りないようなら塩(分量外)で味をととのえる。

野菜がやわらかくなったらバターを加えてさらに煮て、コクと風味をつける。味もまろやかになっておいしい。

5バスマティーライスを炊く

バスマティーライス1カップを軽くすすぎ、水気をきる。鍋にたっぷりの湯を沸かし、シナモンスティック1本、カルダモンシード3粒、ターメリック小さじ1/4、塩ひとつまみ(各分量外)、洗ったバスマティーを入れて強火にかけ、沸騰したら弱火にして蓋をし、7~8分ゆでる。ザルにあげて水気をきり、鍋に戻し、蓋をして4~5分蒸らす。

6器に盛る

器に盛り、バスマティーライスを添える。

感性

教える人

小堀紀代美さん

小堀紀代美 料理家

レストランのマダムからカフェ「LIKE LIKE KITCHEN 」の料理担当を経て、現在は料理教室「LIKE LIKE KITCHEN 」主宰。確実においしく作れるレシピにファンも多い。おいしいもの好きが高じて世界各国を食べ歩き、そんな経験から、スパイスやハーブ使いの達人でもある。

※この記事の内容は、「四季dancyu 夏のレシピ」に掲載したものです。

文:松原京子 写真:邑口京一郎

四季dancyu「夏のレシピ」
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A4変型判(120頁)
2021年6月11日発売/1100円(税込み)