いつものぬか漬けも、質感のある器に綺麗に盛りつけると、食卓が華やかになります。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
昔ながらのぬか漬けを洗練させて見せるには、やっぱり器選びと盛りつけが大事。無骨なようでシックな成田理俊さんの鉄のプレートは、ムラのある表情豊かな黒色が、野菜の美しさを際立たせてくれます。四季折々の野菜でつくれますが、環境によって発酵時間が変わるので、レシピはあくまで目安。探せばきっと周りにいる、ぬか漬け名人のおいしいぬか床を少し分けてもらうと、ぐんと味が深まりますよ。
季節の野菜 | 適量(れんこん、ごぼう、ぎんなん、山芋など) |
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★ ぬか床 | |
・ 米ぬか | 1Kg |
・ 水 | 800ml |
・ 塩 | 100g |
※水分が多くなってきたら、昆布で水気を吸い取ってから、ぬかや塩を適量足す。
※あまり手をかけられないときは、冷蔵庫に入れて保管する。
新鮮な米ぬか1kgを焦げないように炒り、さらさらにする。
水800mlに塩100gを入れて沸かし、冷ます。
1に2を少しずつ加え、おからぐらいのかたさに練る。好みで昆布、鷹の爪、山椒の実、青梅などを入れてもよい。
野菜くずを入れ、翌日に新しい野菜くずに取り替えることを繰り返し、2週間ほどしたら完成。
野菜はそれぞれ下ごしらえする。れんこんは、塩少々を入れた熱湯で2分ほどかためにゆでる。ごぼうはよく洗い、薄い酢水(材料外)で1分ほどゆでる。ぎんなんは殻をむき、さっとゆで薄皮をむく。山芋はひげ根を丁寧に取る。
ぬか床に、水分をしっかり拭いた野菜を漬ける。漬ける時間は、れんこん、ごぼう、山芋は2日ほど、ぎんなんは1日ほどが目安。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也