野菜たっぷりの南インド料理
ココナッツのやさしい甘味が魅力のカレー"里芋のコランブ"

ココナッツのやさしい甘味が魅力のカレー"里芋のコランブ"

里芋のもつ旨味が、スパイスによって引き立ちます。他のカレーと合わせると、相乗効果を発揮する一品です。食べると体の中から元気が湧いてくる。そんな南インドのスパイスと素材の香りが印象的な野菜中心のカレーを、インド・スパイス料理研究家の香取 薫さんに教えてもらいました。

“里芋のコランブ”のつくり方

コランブとはタミル語でカレーのこと。最小限のスパイスとココナッツのやさしい甘味に、里芋のつるんとした舌ざわりがぴったり。こうしたシンプルなおいしさを、単体ではなく他の料理と混ぜながら楽しむのが南インドの真骨頂。

材料材料 (2人分)

里芋2個
カレーリーフ6枚
ヒーングひとつまみ
ココナッツミルク50ml
小さじ1/2
クミンシード小さじ2/3
ブラックペッパー小さじ1/4
ココナッツファイン大さじ2強
飾り用カレーリーフ適量(植物油ごく少量でサッと炒めておく)
カレーリーフ
カレーリーフ。芳しさと柑橘のような爽やかな香りが楽しめ、南インド料理には欠かせない。乾燥葉も出回るが、フレッシュの葉でぜひ。

1下ごしらえ

里芋は皮をむいて7mm角に切る。クミンシードはから煎りしてから、まな板の上でめん棒などで粗くつぶす。ココナッツファインは焦がさないようにサッとから煎りし、甘い香りが出たら皿に広げて冷やす(余熱で焦げるため)。

2芋に火を通す

小さめの鍋に1の里芋、手でもんだカレーリーフ、ヒーングを入れ、水を芋の頭が少し出る程度に入れて中火にかける。沸いたら弱火にして蓋をし、里芋に火を通す。

3仕上げ

里芋が煮えたら残りの材料をすべて入れて混ぜ、火を止める。器に盛り、飾り用カレーリーフをのせる。

完成

教える人

植松良枝 料理研究家

香取 薫 インド・スパイス料理研究家

東京生まれ。
1985年にボランティアで訪れたインドで、スパイスの魅力に開眼。以来、インド中を歩き、地元の家庭に入って料理を研究する。キッチンスタジオ ペイズリー主宰。著書も多数。

文:鹿野真砂美 写真:宗田育子

この記事は四季dancyu「夏のキッチン」に掲載したものです。

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鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。