豚肉をさっぱり、がっつり食べる。
豚スペアリブとスパイス。

豚スペアリブとスパイス。

スペアリブの濃厚な肉と脂をさっぱり食べる、新しいワザの鍵はスパイスとハーブです。カレーにも使われるクローブやカルダモン、タイのレモングラスやこぶみかんの葉と煮込んで、がっつりスペアリブをさっぱりと香り高く仕上げます。骨から出ただしを吸った野菜もおいしいですよ!

スパイスとハーブで肉と脂を香り高く!

豚の肋(あばら)周りの肉“スペアリブ”。“リブ”とは英語で「肋骨」のこと。
肉と脂身が3層に重なっていることから、和食や中華料理では“三枚肉”とも呼ばれます。
骨を取り除いた肋周りの肉は、牛では“カルビ”であることからもわかるように、濃厚な脂と肉の旨味が味わえる部位なのです。
“スペアリブのエスニック煮込み”は、南アジアで使われるスパイスや、東南アジアのハーブを使ってスペアリブを煮込み、香り高いペーストや、ピリ辛のソースでいただく、エスニック風の爽やかな料理です。
ガッツリおいしいスペアリブの新しい世界がぐ~んと広がりますよ!

じっくり煮込んだスペアリブは、骨からほろりと肉がはずれるほどやわらか。

スペアリブのエスニック煮込み

材料

材料材料 (つくりやすい分量)

豚スペアリブ1kg
大根600g(6~7cmの拍子木切り)
空芯菜200g(5~6cmの長さに切る)
A にんにく1玉
A 生姜5枚(薄切り)
A 黒胡椒小さじ1(粒)
A シナモンスティック1本
A 八角1個
A カルダモン3~4個
A クローブ4~5個
A こぶみかんの葉4~5枚
A レモングラス2本
B ナンプラー大さじ2~3
B オイスターソース大さじ1/2
B 砂糖大さじ1/2
B 塩少々
B 白胡椒少々

1 スペアリブをゆでる

鍋に水(分量外)を入れ、煮立ったらスペアリブを加え3分ゆでてざるに上げる。

スペアリブをゆでる
スペアリブをさっとゆでて、肉の旨味を閉じ込める。

2 スパイスとハーブを加えて煮る

香味野菜、スパイス、ハーブと煮ることで、スペアリブを爽やかに香りづけします。
香味野菜、スパイス、ハーブと煮ることで、スペアリブを爽やかに香りづけします。

3 野菜と一緒に煮る

大根とBを加えて20分ほど弱火で煮る。大根がやわらかくなったら空芯菜を加えて一煮立ちさせ、器に盛り付ける。

野菜と一緒に煮る
野菜は煮崩れないよう、最後に加えます。

3種のソースで、さらに豚肉を爽やかに!

スパイスやハーブと一緒にさっぱりと煮たスペアリブを、さらにおいしく、楽しく食べるためのソース3種をご紹介します。

パクチーなどの香味野菜に、アンチョビの旨味とアーモンドのコクをプラスし、ライムのクリアな酸味でまとめた“パクチーソース”は、アジアンな食材を使いますが、どこかイタリアンのジェノバペーストのように濃厚で爽快。

“青唐辛子酢”は、青唐辛子と米酢を混ぜるだけ。ほどよくやわらいだ酸味と辛味が、口の中をリフレッシュしてくれます。
中華風の“黒酢ソース”は、旨味たっぷりの黒酢とオイスターソースに生姜の鮮烈な辛味をプラス。コクとキレが爽やかなアクセントになります。

パクチーソース
オリエンタルな食材を使った濃厚で香り高い“パクチーソース”(左)。ピリッと辛い刺激が欲しいときはタイ風の“青唐辛子酢”(中)。中華風の爽やかな“黒酢ソース”(右)。

パクチーソース

材料材料 (つくりやすい分量)

パクチー30g
細ねぎ30g
にんにく1/2個(すりおろす)
アンチョビ10g
アーモンドスライス30g
サラダ油100ml
クミンパウダー小さじ1
小さじ1/2
ライム汁1個分

1 混ぜる

すべての材料を、ハンドブレンダーや乳鉢でペースト状になるまで混ぜる。

青唐辛子酢

材料材料 (つくりやすい分量)

青唐辛子適量(小口切り)
米酢適量

1 混ぜる

米酢に青唐辛子を混ぜる。

黒酢ソース

材料材料 (つくりやすい分量)

黒酢適量
オイスターソース適量
生姜適量(すりおろし)

1 混ぜる

同じ分量の黒酢とオイスターソースを混ぜ、生姜を添える。

完成
パクチー、ミント、バジル、薄切りにして水にさらした紫玉ねぎなどをお好みで添える。骨と肉のだしを吸った野菜はやさしくて滋味深いおいしさ。

教える人

みないきぬこ

みないきぬこ

料理家。女子栄養大学卒業後、枝元なほみ氏のアシスタントを経て、2007年に独立。雑誌やテレビ、広告などで活躍するほか、母校の女子栄養大学で調理実習の講義も受け持ち、料理の「なぜ」「わからない」をわかりやすく教えることが得意。著書に『はじめてのストウブ』(池田書店)、『1日でつくれるおせち』 (主婦の友社)など。

文:星野一樹 写真:鈴木泰介