スペアリブの濃厚な肉と脂をさっぱり食べる、新しいワザの鍵はスパイスとハーブです。カレーにも使われるクローブやカルダモン、タイのレモングラスやこぶみかんの葉と煮込んで、がっつりスペアリブをさっぱりと香り高く仕上げます。骨から出ただしを吸った野菜もおいしいですよ!
豚の肋(あばら)周りの肉“スペアリブ”。“リブ”とは英語で「肋骨」のこと。
肉と脂身が3層に重なっていることから、和食や中華料理では“三枚肉”とも呼ばれます。
骨を取り除いた肋周りの肉は、牛では“カルビ”であることからもわかるように、濃厚な脂と肉の旨味が味わえる部位なのです。
“スペアリブのエスニック煮込み”は、南アジアで使われるスパイスや、東南アジアのハーブを使ってスペアリブを煮込み、香り高いペーストや、ピリ辛のソースでいただく、エスニック風の爽やかな料理です。
ガッツリおいしいスペアリブの新しい世界がぐ~んと広がりますよ!
豚スペアリブ | 1kg |
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大根 | 600g(6~7cmの拍子木切り) |
空芯菜 | 200g(5~6cmの長さに切る) |
A にんにく | 1玉 |
A 生姜 | 5枚(薄切り) |
A 黒胡椒 | 小さじ1(粒) |
A シナモンスティック | 1本 |
A 八角 | 1個 |
A カルダモン | 3~4個 |
A クローブ | 4~5個 |
A こぶみかんの葉 | 4~5枚 |
A レモングラス | 2本 |
B ナンプラー | 大さじ2~3 |
B オイスターソース | 大さじ1/2 |
B 砂糖 | 大さじ1/2 |
B 塩 | 少々 |
B 白胡椒 | 少々 |
鍋に水(分量外)を入れ、煮立ったらスペアリブを加え3分ゆでてざるに上げる。
大根とBを加えて20分ほど弱火で煮る。大根がやわらかくなったら空芯菜を加えて一煮立ちさせ、器に盛り付ける。
スパイスやハーブと一緒にさっぱりと煮たスペアリブを、さらにおいしく、楽しく食べるためのソース3種をご紹介します。
パクチーなどの香味野菜に、アンチョビの旨味とアーモンドのコクをプラスし、ライムのクリアな酸味でまとめた“パクチーソース”は、アジアンな食材を使いますが、どこかイタリアンのジェノバペーストのように濃厚で爽快。
“青唐辛子酢”は、青唐辛子と米酢を混ぜるだけ。ほどよくやわらいだ酸味と辛味が、口の中をリフレッシュしてくれます。
中華風の“黒酢ソース”は、旨味たっぷりの黒酢とオイスターソースに生姜の鮮烈な辛味をプラス。コクとキレが爽やかなアクセントになります。
パクチー | 30g |
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細ねぎ | 30g |
にんにく | 1/2個(すりおろす) |
アンチョビ | 10g |
アーモンドスライス | 30g |
サラダ油 | 100ml |
クミンパウダー | 小さじ1 |
塩 | 小さじ1/2 |
ライム汁 | 1個分 |
すべての材料を、ハンドブレンダーや乳鉢でペースト状になるまで混ぜる。
青唐辛子 | 適量(小口切り) |
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米酢 | 適量 |
米酢に青唐辛子を混ぜる。
黒酢 | 適量 |
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オイスターソース | 適量 |
生姜 | 適量(すりおろし) |
同じ分量の黒酢とオイスターソースを混ぜ、生姜を添える。
料理家。女子栄養大学卒業後、枝元なほみ氏のアシスタントを経て、2007年に独立。雑誌やテレビ、広告などで活躍するほか、母校の女子栄養大学で調理実習の講義も受け持ち、料理の「なぜ」「わからない」をわかりやすく教えることが得意。著書に『はじめてのストウブ』(池田書店)、『1日でつくれるおせち』 (主婦の友社)など。
文:星野一樹 写真:鈴木泰介