豚肉を塩で熟成させましょう。豚肉に塩をまぶして冷蔵庫でねかせることで、余計な水分が抜け、旨味が凝縮して段違いの味に。豚肉の楽しみ方が変わります!
パンチェッタ、ベーコン、生ハム、スーチカーなど豚肉を塩で熟成させる保存食品は、世界各国で発達してきました。
塩をまぶしてねかせることにより、肉に浸透して、豚の臭みと余計な水分が抜けることが熟成のポイント。
豚肉がいつもよりむっちりしっとりした質感に変化し、旨味が凝縮して別次元のおいしさとなるのです。
塩漬けの牛肉が“Corned Beef”すなわち“コンビーフ”なように、豚肉を塩水につけたり塩をまぶして熟成したものは、欧米では“Corned Pork”と呼ばれます。
今回はをゆでてほぐした“塩豚”に野菜を添えた“コンポークの生野菜包み”を紹介します。豚肉をがっつり豚肉も、爽やかなソースと一緒に生野菜で巻いて食べれば、サラダ感覚でヘルシーに食べられます。
豚肩ロース肉 | 500~600g(ブロック) |
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塩 | 大さじ1 |
生姜 | 5枚(薄切り) |
長ねぎ | 1本分(青い部分) |
A 赤唐辛子 | 1本分(小口切り) |
A 花椒 | 小さじ1/2(砕く) |
A サラダ油 | 大さじ1 |
A 砂糖 | 小さじ1 |
A 黒酢 | 大さじ2 |
豚肉に塩をすり込む。できるだけ空気が入らないように袋の口を結び、冷蔵庫でねかせる。豚肉から水分が出て、旨味がグッと凝縮するまで1週間熟成させるのがおすすめ。
冷蔵庫から出して豚肉の表面をよく洗い、鍋に入れる。水600ml(分量外)と生姜、ねぎを加えて強火にかける。沸騰したらアクを取り、弱火にして蓋をずらしてのせ、1時間ほどゆでる。ゆで汁が煮詰まっているようなら、肉がかぶるぐらいの水を加える。再度強火にし、沸騰したら弱火にして蓋をずらしてのせ、30分ほど煮る。火を止めてそのまま粗熱をとる。
豚肉が常温まで冷めたら鍋から取り出してボウルに入れ、手でほぐしておく。
鍋にAを入れて強火にかけ、沸騰したら30秒ほど煮立たせる。熱いうちに豚肉に回しかけて箸で混ぜる。
塩熟成で旨味を増したコンポークを、たっぷりの野菜と一緒においしく食べるための、つけ合わせと2つのたれをご紹介します。
干しえびにタイの発酵シュリンプペースト“カピ”を足した、旨みたっぷりの“エスニックだれ”。にんにくと青唐辛子の刺激があとから効いてくる!
パクチー、ねぎ、生姜にキウイを合わせた“香味だれ”は、甘酸っぱく、爽やかな味わいで食欲が進みます。
大根、にんじんと青唐辛子を甘酢で和えた“なます”は、シンプルながら塩熟成して旨味を増した豚肉とバッチリ合います。そのまま食べて口の中をリフレッシュさせるのもいい。
醤油 | 大さじ1 |
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レモン汁 | 大さじ1(または米酢) |
A 干しエビ | 大さじ1 |
A 紫小玉ねぎ | 30g(または紫玉ねぎ) |
A にんにく | 小さじ1(すりおろし) |
A 青唐辛子 | 2~3本 |
A カシューナッツ | 220g |
A ココナッツシュガー | 大さじ1/2(または三温糖) |
A カピ | 大さじ1(タイのシュリンプペースト) |
Aをすり鉢や乳鉢に入れて、ペースト状になるまですり潰す。醤油とレモン汁を加えて混ぜる。
長ねぎ | 1/2本(みじん切り) |
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生姜 | 大さじ1(みじん切り) |
パクチー | 20g(みじん切り) |
キウイ | 1個分(すりおろし) |
ナンプラー | 大さじ2 |
米酢 | 大さじ2 |
サラダ油 | 大さじ1 |
すべての材料を器に入れて混ぜる。
大根 | 200g(千切り) |
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にんじん | 30g(千切り) |
青唐辛子 | 1本分(小口切り) |
A 砂糖 | 大さじ2 |
A 酢 | 大さじ2 |
A 塩 | 小さじ1/4 |
大根、にんじんをボウルに合わせて塩少々をまぶす。5分ほど置いて水けを搾る。A、青唐辛子を加えて和える。
「豚肉をさっぱり、がっつり食べる。」は、これにて終了です。「豚肉」と聞いても身構えずに、がっつりヘルシーに食べていただければ嬉しく思います。
料理家。女子栄養大学卒業後、枝元なほみ氏のアシスタントを経て、2007年に独立。雑誌やテレビ、広告などで活躍するほか、母校の女子栄養大学で調理実習の講義も受け持ち、料理の「なぜ」「わからない」をわかりやすく教えることが得意。著書に『はじめてのストウブ』(池田書店)、『1日でつくれるおせち』 (主婦の友社)など。
文:星野一樹 写真:鈴木泰介