洋食に行くとご飯の替わりにスパゲッティなどを頼みたくなります。東銀座「レストラン早川」もそう。いろいろなメニューに目移りしながら、結局はいつもハンバーグ(単品)とスパゲティ“イタリアン”を頼んでしまうのでした……。
東銀座、人気のインド料理店「ナイルレストラン」には時折行列ができていたりしますが、その隣にひっそりと佇む家族経営の洋食店があります。狭い店内は昭和の空気が残っているような、でも外の喧騒が嘘のような穏やかな空間です。メニューはコロッケ、アジフライ、メンチカツ、ポークソテー、ハンバーグなどの定食に、カレーライスやオムライス、そしてスパゲティはナポリタンと“イタリアン”。イタリアンは、塩味で炒めた白いスパゲティの上にハムが入った薄いオムレツ、というより卵焼きがのり、デミグラスソースがかかった一品です。
僕はこの空間で(特に道路側のやさしい光が差し込むテーブル席で)食事をするのが好きで、時折行くのですが、いつもメニューを眺めて迷います。ポークソテーにしようか、メンチカツにするか、いやアジフライもいいな……と迷いつつ、結局いつも同じものを頼んでしまいます。「ハンバーグ、単品で。スパゲティ・イタリアン。味噌汁もつけてください」と。
ここに限らず、洋食店にいくと、いつも料理+スパゲティ(またはオムライス)を頼んでしまうんです。ニッポンの洋食は白飯に合う料理だから、大人しくハンバーグとライスにしておけばいいのですが、いろいろ食べたくなって、ついこうした注文をしてしまいます。
そして、中でもこの店の“イタリアン”は白飯替わりに最適!デミグラスソースがかかってはいますが、見た目よりも控えめな味つけで、むしろこれだけ食べていると物足りない感じがするかもしれません。しかし、ハンバーグを食べ、卵焼きをはさみつつ白いスパゲティを食べると、違和感なく実に合う!(味噌汁にも合います)。途中で粉チーズやタバスコを少しふってみたり、あるいはハンバーグを切ってスパゲティにのせ、砕きながら食べると粗挽きのミートソース的な味わいに。最後まで飽きることなく楽しく食べられるのです。
ちなみに、かつてはこうした“白いナポリタン(イタリアン?)”もたまに見かけました。「芸者さんたちが服や口が汚れるのを嫌がるのでケチャップを使わない白いナポリタンを出すようにしたんですよ」。以前、赤坂にあった古い洋食店で聞いたことがあります。ナポリタンが人気の新橋の喫茶店では今も「イタリアン白」(塩胡椒味)や「イタリアン茶」(醤油味)という裏メニューもあります。ナポリタン好きは多いと思いますが、たまには昔ながらの白いナポリタンもいかがですか?
文・写真:植野広生
東銀座、人気のインド料理店「ナイルレストラン」には時折行列ができていたりしますが、その隣にひっそりと佇む家族経営の洋食店があります。狭い店内は昭和の空気が残っているような、でも外の喧騒が嘘のような穏やかな空間です。メニューはコロッケ、アジフライ、メンチカツ、ポークソテー、ハンバーグなどの定食に、カレーライスやオムライス、そしてスパゲティはナポリタンと“イタリアン”。イタリアンは、塩味で炒めた白いスパゲティの上にハムが入った薄いオムレツ、というより卵焼きがのり、デミグラスソースがかかった一品です。
僕はこの空間で(特に道路側のやさしい光が差し込むテーブル席で)食事をするのが好きで、時折行くのですが、いつもメニューを眺めて迷います。ポークソテーにしようか、メンチカツにするか、いやアジフライもいいな……と迷いつつ、結局いつも同じものを頼んでしまいます。「ハンバーグ、単品で。スパゲティ・イタリアン。味噌汁もつけてください」と。
ここに限らず、洋食店にいくと、いつも料理+スパゲティ(またはオムライス)を頼んでしまうんです。ニッポンの洋食は白飯に合う料理だから、大人しくハンバーグとライスにしておけばいいのですが、いろいろ食べたくなって、ついこうした注文をしてしまいます。
そして、中でもこの店の“イタリアン”は白飯替わりに最適!デミグラスソースがかかってはいますが、見た目よりも控えめな味つけで、むしろこれだけ食べていると物足りない感じがするかもしれません。しかし、ハンバーグを食べ、卵焼きをはさみつつ白いスパゲティを食べると、違和感なく実に合う!(味噌汁にも合います)。途中で粉チーズやタバスコを少しふってみたり、あるいはハンバーグを切ってスパゲティにのせ、砕きながら食べると粗挽きのミートソース的な味わいに。最後まで飽きることなく楽しく食べられるのです。
ちなみに、かつてはこうした“白いナポリタン(イタリアン?)”もたまに見かけました。「芸者さんたちが服や口が汚れるのを嫌がるのでケチャップを使わない白いナポリタンを出すようにしたんですよ」。以前、赤坂にあった古い洋食店で聞いたことがあります。ナポリタンが人気の新橋の喫茶店では今も「イタリアン白」(塩胡椒味)や「イタリアン茶」(醤油味)という裏メニューもあります。ナポリタン好きは多いと思いますが、たまには昔ながらの白いナポリタンもいかがですか?
文・写真:植野広生