今年4月に三陸のわかめ漁、5月に沖縄のもずく漁を見学し、わかめともずくを用いた料理を食べてきました。海藻好きにとって贅沢なひとときであると同時に、それぞれの味わいの可能性を知りました。
わかめ、昆布、海苔、めかぶ、もずく、ひじき……海藻類が好きです。いろいろな料理で活躍するし、さまざまな味つけで多彩な味わいを発揮するからです。そして心地よい食感と深い旨味はたまりませんね。
そんな海藻好きにとって、「わかめともずくの漁を見に行きませんか?」というお誘いはとても魅力的(漁産地に行けば料理もいろいろ食べられるはずだし……)。ということで、4月初旬に岩手県大船渡市の綾里(りょうり)でわかめ漁を、5月中旬には沖縄県うるま市の勝連(かつれん)でもずく漁を見に行きました。
4月初旬、まだ肌寒さが残る早朝から始まるわかめ漁を見に大船渡・綾里へ向かいました。200m程度のロープに若い芽をつけ、半年かけて2〜3mに成長すると収穫します。三陸のリアス式海岸、親潮と黒潮がぶつかる栄養豊かな深い海で育っているため、茶褐色の肉厚で旨味が深いとのこと。試しに採れたてのわかめを少し齧ってみると、海水の塩分で塩辛さを感じるものの、確かに海の滋味が凝縮したような深い旨味がじわっと広がります。その場でゆでためかぶも齧ってみたら、糸を引く粘り気とこちらも強い旨味が口の中にあふれました。
船から降りて、地元の料理店でわかめやめかぶのしゃぶしゃぶ、わかめご飯などを食べさせてもらいました。深い茶褐色のわかめやめかぶは鍋の出汁に泳がせると、鮮やかな緑色に変わります。食感もしまって心地よい硬さになり、旨味もしっかり出てきます。
採れたてのわかめは、これだけで十分美味しいのですが、野菜や肉との相性も抜群なので、さらに進化(?)できるのでは……。たとえば沢煮椀(野菜や豚肉など多くの食材を千切りにして具とする塩味の椀もの)のように、野菜を千切りにして鍋に入れ、そこでわかめやめかぶをしゃぶしゃぶする“わかめの沢煮鍋しゃぶしゃぶ”(具沢山だけどあくまでもわかめとめかぶがメイン!)などにしても美味しいと思いました。今度やってみよう!
続いて5月中旬に向かったのは沖縄・勝連のもずく漁。美しい沖縄の海の底に敷かれた幅1.8m、長さ20mの網にもずくがびっしり育っていました。漁師は潜水して掃除機のようなバキューム装置でもずくを吸い上げ、それが漁船に上がる仕組みです。揚がったばかりのもずくを食べて見ると、ぷちっと歯切れのいい食感と心地よいとろみ感じます。沖縄の美しい海のエッセンスをまとったような軽やかな味わいです。
普段はもずく酢として食べるのが当たり前なので、酸味と甘味を伴うのがもずくの味、と思ってしまいがちですが、採れたてを食べると、海藻としての美味しさに改めて驚きます。
さらに、近くの食堂でもずく酢やもずくの天ぷら、もずく入り沖縄そばなどを食べました。どれも食材としてのもずくの可能性を感じさせる美味しさでしたが、特に麺料理に合うと思いました。
で、勝連のもずくを買って持ち帰り、僕なりの“もずくラーメン”をつくってみました。もずくにポン酢と醤油を加えて少し粘りが出るくらいまでよく混ぜ、醤油ラーメンにたっぷりのせ、千切りにした生姜をのせ、辣油を少々。他の具材はなし。もずくが主役のラーメンです。これ、美味しいですよ!
文:植野広生
わかめ、昆布、海苔、めかぶ、もずく、ひじき……海藻類が好きです。いろいろな料理で活躍するし、さまざまな味つけで多彩な味わいを発揮するからです。そして心地よい食感と深い旨味はたまりませんね。
そんな海藻好きにとって、「わかめともずくの漁を見に行きませんか?」というお誘いはとても魅力的(漁産地に行けば料理もいろいろ食べられるはずだし……)。ということで、4月初旬に岩手県大船渡市の綾里(りょうり)でわかめ漁を、5月中旬には沖縄県うるま市の勝連(かつれん)でもずく漁を見に行きました。
4月初旬、まだ肌寒さが残る早朝から始まるわかめ漁を見に大船渡・綾里へ向かいました。200m程度のロープに若い芽をつけ、半年かけて2〜3mに成長すると収穫します。三陸のリアス式海岸、親潮と黒潮がぶつかる栄養豊かな深い海で育っているため、茶褐色の肉厚で旨味が深いとのこと。試しに採れたてのわかめを少し齧ってみると、海水の塩分で塩辛さを感じるものの、確かに海の滋味が凝縮したような深い旨味がじわっと広がります。その場でゆでためかぶも齧ってみたら、糸を引く粘り気とこちらも強い旨味が口の中にあふれました。
船から降りて、地元の料理店でわかめやめかぶのしゃぶしゃぶ、わかめご飯などを食べさせてもらいました。深い茶褐色のわかめやめかぶは鍋の出汁に泳がせると、鮮やかな緑色に変わります。食感もしまって心地よい硬さになり、旨味もしっかり出てきます。
採れたてのわかめは、これだけで十分美味しいのですが、野菜や肉との相性も抜群なので、さらに進化(?)できるのでは……。たとえば沢煮椀(野菜や豚肉など多くの食材を千切りにして具とする塩味の椀もの)のように、野菜を千切りにして鍋に入れ、そこでわかめやめかぶをしゃぶしゃぶする“わかめの沢煮鍋しゃぶしゃぶ”(具沢山だけどあくまでもわかめとめかぶがメイン!)などにしても美味しいと思いました。今度やってみよう!
続いて5月中旬に向かったのは沖縄・勝連のもずく漁。美しい沖縄の海の底に敷かれた幅1.8m、長さ20mの網にもずくがびっしり育っていました。漁師は潜水して掃除機のようなバキューム装置でもずくを吸い上げ、それが漁船に上がる仕組みです。揚がったばかりのもずくを食べて見ると、ぷちっと歯切れのいい食感と心地よいとろみ感じます。沖縄の美しい海のエッセンスをまとったような軽やかな味わいです。
普段はもずく酢として食べるのが当たり前なので、酸味と甘味を伴うのがもずくの味、と思ってしまいがちですが、採れたてを食べると、海藻としての美味しさに改めて驚きます。
さらに、近くの食堂でもずく酢やもずくの天ぷら、もずく入り沖縄そばなどを食べました。どれも食材としてのもずくの可能性を感じさせる美味しさでしたが、特に麺料理に合うと思いました。
で、勝連のもずくを買って持ち帰り、僕なりの“もずくラーメン”をつくってみました。もずくにポン酢と醤油を加えて少し粘りが出るくらいまでよく混ぜ、醤油ラーメンにたっぷりのせ、千切りにした生姜をのせ、辣油を少々。他の具材はなし。もずくが主役のラーメンです。これ、美味しいですよ!
文:植野広生