撮影のため茨城県つくば市を訪れた松尾貴史さん。せっかく来たからには地元で評判のカレーをと、とあるスリランカカレー店に入ってみることに――。
ドラマの撮影でつくば市を訪れた。世田谷から車で1時間45分、せっかくの遠路なので、「これは地元で評判のカレーを探そう」と思えばあるものだ。地元で人気のスリランカ料理店へ。
スリランカカレーではほとんどハズレに出会ったことはないけれど、ここのカレーはまた驚くほど美味い!豚肉の旨味が強く、味付けもしっかりしてあって押し寄せてくる感じだ。付け合わされているココナッツサンバルもいい香りでアクセントになっている。
スリランカらしいローストしたスパイスの香りと、旨味の後に追いかけてくる刺激的な辛さ。しかし、辛すぎないのに香辛料の効果なのか、発汗作用が強い。水も三杯飲んで、たくさん汗をかいて新陳代謝が促された気分。これぞ食べるサウナ。
ビリヤニも味を見たいと思い、同行したマネージャーにはチキンビリヤニを注文してもらった。味見をしたらこれまたなかなかに大人なスパイシーさで、体が浄化されるような「爽や辛さ」だ。どんどん食べられる、これはすばらしい。
営業しているかどうかの確認電話を入れた時から、入店して食事が終わるまで、お店の方の丁寧な応対にも感心しきりだった。7年前に開店して、繁盛しているのだろう、今は北条地区というところに2号店もあるそうだ。
店内の一角では、スリランカなどの食材やスパイスが販売されていた。エスニック食材の店でタマリンドのペーストが売られているのを見たことがあるが、ホール(タイ製)は珍しいのではないか。スリランカのモルディブフィッシュ(鰹節のようなもの)のふりかけもなかなか手に入らない。「カッタサンボル」と呼ばれる、モルディブフィッシュとチリ、玉ねぎなどを混ぜたもので、白ごはんにかけるだけでも美味しいスパイシーな便利食材だ。そして、スリランカ独自の配合によるローストしたブレンド香辛料、「ローステッドカリーパウダー」の3点を購入して上機嫌に。
ホットチャイを楽しんだ後、撮影現場に入るまでの時間を使って、元郵便局をリノベーションした喫茶店「ポステン」に移動して深煎りのコーヒーを一服二服、体に充満するスパイスの余韻を楽しませてもらった。
文・撮影:松尾貴史