明日、どこに食べに行こう?
主人が最高!「きっちん浜家」|個性が光る東京のとんかつ⑦

主人が最高!「きっちん浜家」|個性が光る東京のとんかつ⑦

東京・錦糸町にある「きっちん浜家」は、とんかつが旨いのはさることながら、ご主人の人柄も最高な下町とんかつが味わえます。午後に備えるランチタイムに、仕事上がりの労いに、いいことがあったときのご褒美に。旨いとんかつ店を知っていれば、人生は最高になる。

お腹も心も満足させる幸せのとんかつ

自分の生活圏に揚げ物の旨い定食屋が存在することは、なんという幸福だろう「浜家」を訪れるたび、いつもそう感じる。錦糸町で働く人たちでランチは常に満席となるこの店の主人・浜屋憲弘さんは、もともとホテルでフレンチのシェフとして腕を振るっていた。48歳のときに洋食店として店を構えたが、客の要望に応えるうちに揚げ物ばかりがメニューに増えた。「とんかつなんてつくったことないし、キャベツのせん切りもやったことなかったんだから」。しかし本人の意に反し(?)揚げ物は評判を上げ、なかでもロースカツは看板となった。

ロースカツ定食
「ロースカツ定食」岩手県産豚を使った夜のロースカツ定食1,600円。ランチよりちょっと厚めの250gを超えるボリュームで、お腹も心も大満足!

ここのロースカツの本領を味わうなら、ぜひ夜に訪れることを薦めたい。ランチよりもさらに厚く切った岩手県産の豚肉に粗めのパン粉をまぶし、結構しっかりめに揚げるのだが、肉は綺麗なピンク色。人によってはレアに感じるかもしれないが、浜屋さんは「これぐらいの火の入り具合が美味しいと思うんだよねぇ」と目を細める。柔らかな肉を噛めば、澄んだ脂の旨味がジュワッとあふれて、口の中でサラリと消えていく。「こだわり?そんなもんないよ(笑)。素材が良けりゃ、大体旨くつくれるから」。そんな軽口に笑いながら頬張る「浜家」のロースカツは、なんだか幸せの味がする。

浜屋憲弘さん
「こだわり?そんなもんないよ(笑)」と店主の浜屋憲弘(のりひろ)さん
牛肉とごぼうの炊き合わせ
夜は酒の肴になる一品料理も充実。牛肉とごぼうの炊き合わせ650円。
茄子の揚げ浸し
茄子の揚げ浸し500円。築地で仕入れた刺身もお薦め。

ここに技あり!

リブロースカツ定食
こだわりはないと言いつつ、豚ロースのジューシーな旨さを引き出す調理はさすが。ちなみに夜のリブロースカツ定食1,700円も絶品!!
店内
1995年開店。ランチのロースカツ定食1,300円。夜のロースカツ定食1,600円。不定期で日曜昼も営業。

店舗情報店舗情報

きっちん浜家
  • 【住所】東京都墨田区錦糸1-8-12
  • 【電話番号】03-5610-2277
  • 【営業時間】11:30~14:00、18:00~21:30(L.O.)(土曜はランチ営業のみ)
  • 【定休日】日曜、祝日
  • 【アクセス】JRほか「錦糸町駅」より4分

文:宮内健 写真:長谷川潤

※この記事の内容はdancyu2018年10月号に掲載したものです。