創刊35周年!名酒場の感動レシピ
『フロリレージュ』川手寛康シェフの"俺酒場"。中身もソースもなす尽くし!生地に使うのは"きのこ水"!?フレンチの繊細な技と斬新なアイデアがあふれる「なすのラビオリ」。

『フロリレージュ』川手寛康シェフの"俺酒場"。中身もソースもなす尽くし!生地に使うのは"きのこ水"!?フレンチの繊細な技と斬新なアイデアがあふれる「なすのラビオリ」。

シェフがもし家で酒場を開いたら、どんなつまみを出すのだろう……。という妄想でスタートしたdancyuWEB連載「ようこそ!俺酒場」が、dancyu2026年冬号に登場。『フロリレージュ』川手寛康シェフに俺酒場メニューを5品考案していただきました。その中から「なすのラビオリ」をご紹介。正直言って、難易度は高めです。でも、この料理を家でつくれたときの感動ったらありません!

教える人

「フロリレージュ」オーナーシェフ 川手寛康さん

「フロリレージュ」オーナーシェフ 川手寛康さん

「ル ブルギニオン」や「カンテサンス」などで腕を磨き、2009年6月に「フロリレージュ」をオープン。2023年9月に麻布台ヒルズに移転。身近な野菜から華麗な一皿を生み出すコースはときめきの連続だ。

材料材料 (3~4人分)

★ 【フィリング】
・ なす5本
・ エシャロット1/2個(縦に薄切り。玉ねぎでも可)
・ にんにく1片 (潰す)
・ トマト1/4個(皮と種を除き1cm角に切る)
・ タイム2~3本
・ カレー粉1g
・ オリーブオイル適量
★ 【生地】          
・ 中力粉100g
・ 塩1g
・ きのこ水47g(水でも可(*1))
★ 【ソース】
・ とろなすの焼きなす120g(*2)
・ だし250g
・ 八丁味噌20g
・ 葛粉少々(片栗粉でも可)
・ カレーオイル適量(*3)

*1 きのこ水は、舞茸100gを水50gと塩少々で煮込んでから漉す。
*2 とろなすは白なすや青なすのことで、加熱するととろける食感になる。今回はグリルなどでじっくり焼いて皮をむいて使用。
**3 カレーオイルは、胡麻油(白)とカレー粉を2:1で混ぜて一晩置いてから漉す。

1生地を仕込む

フードプロセッサーに中力粉と塩を入れ、撹拌しながら人肌に温めたきのこ水を加える。途中で底を混ぜ起こしながら撹拌し、全体に水分を行き渡らせる。粉が細かい粒状になったらまとめ、密閉できる袋に入れて冷蔵庫で一晩休ませる。

生地を仕込む
生地を仕込む

2フィリングをつくる①

なすはヘタを落とし、縞目に3ヶ所皮をむく。縦半分に切り、全体に軽く塩(分量外)をふる。水気が出てきたらキッチンペーパーで押さえて拭き取る。

フィリングをつくる①

3フィリングをつくる②

フライパンにオリーブオイル大さじ4を熱し、断面からなすを並べる。中火でこんがり焼き色がついたら裏返し、柔らかくなるまで加熱したらキッチンペーパーに取り出す。

フィリングをつくる②

4フィリングをつくる③

大きめの鍋にオリーブオイル大さじ1とにんにくを入れて弱火にかけ、じっくり加熱する。香りが立ったらエシャロットを加え、カラッとドライになるまで炒める。

フィリングをつくる③

5フィリングをつくる④

トマト、タイム、カレー粉を加えて炒め混ぜたら、(3)のなすを入れて混ぜ、蓋をして弱火で15分加熱する。

フィリングをつくる④

6フィリングをつくる⑤

火からおろしてタイムを取り出し、ハンドブレンダーなどでペースト状にして冷ます。

フィリングをつくる⑤

7焼きなすソースをつくる①

焼きなすソースをつくる。鍋に焼きなすとだしを入れ、八丁味噌を溶く。弱火にかけて10分ほどコトコトと煮る。

焼きなすソースをつくる①

8焼きなすソースをつくる②

火からおろして、クッキングペーパーを敷いた漉し器でソースを抽出する。小鍋に移し、水で溶いた葛粉で軽くとろみをつける。

焼きなすソースをつくる②

9ラビオリを成形してゆでる①

休ませた生地を取り出し、麺棒で薄くのばす。透けるぐらいに薄くするのが理想。円形の型抜き(直径5 cm)で生地を抜く。残った生地は再度薄くのばして型で抜く。

ラビオリを成形してゆでる①

10ラビオリを成形してゆでる②

冷ました56gを生地の中央にのせ、もう一枚の生地をかぶせる。生地の周りを指で押さえてしっかりとめたら、1ヶ所を折り畳んでから両側の生地を寄せて成形する。

ラビオリを成形してゆでる②
ラビオリを成形してゆでる②

11ラビオリを成形してゆでる③

沸騰した湯に1%の塩(分量外)を加えてラビオリを1分30秒ゆでる。

ラビオリを成形してゆでる③

12完成

皿に盛りつけ、焼きなすソースとカレーオイルをかけて完成。中身もソースもなす尽くし!ラビオリ生地はもちもちなめらかで、きのこ水の風味が噛むほどに現れる。和風の味には日本酒“日日”を。

完成

26年冬号「名酒場の感動つまみ」特集、発売中!

26年冬号「名酒場の感動つまみ」
dancyu2026年冬号の特集は、創刊35年記念レシピ特集「名酒場の感動つまみ」。『フロリレージュ』川手シェフの俺酒場のほか、全73皿の感動つまみレシピを紹介しています。

dancyu2026年冬号
A4変型判(168頁)
2025年12月5日発売/1,500円(税込)

店舗情報店舗情報

フロリレージュ
  • 【住所】東京都港区虎ノ門5‐10‐7 麻布台ヒルズ ガーデンプラザD 2階
  • 【電話番号】03‐6435‐8018
  • 【営業時間】ランチコース12:00スタート(12:30 L.O.)ディナーコース18:00スタート(18:30 L.O.)
  • 【定休日】月曜 日曜ディナー 火曜ランチ 他に不定休あり
  • 【アクセス】東京メトロ「神谷町駅」5番出口直結

文:上島寿子 撮影:伊藤菜々子

上島 寿子

上島 寿子 (文筆家)

東京生まれで、銀座の泰明小学校出身。実家がビフテキ屋だったため、幼少期から食い意地は人一倍。洋酒メーカー、週刊誌の記者を経て、フリーに。dancyuをはじめ雑誌を中心に執筆しています。

  • dancyu
  • つくる
  • 創刊35周年!名酒場の感動レシピ
  • 『フロリレージュ』川手寛康シェフの"俺酒場"。中身もソースもなす尽くし!生地に使うのは"きのこ水"!?フレンチの繊細な技と斬新なアイデアがあふれる「なすのラビオリ」。