おいしいお米に出合ったら、米糠を少しお裾分けしていただきましょう。糠床は冷凍保存もできるしお肉やお魚のマリネにも便利に使えます。ポリ袋で気負わずつくってみて。体がホッとする発酵食品を取り入れたレシピを、料理研究家の真藤舞衣子さんに教えてもらいました。
小さめのほうろう容器などに糠床を入れて保管すると、冷蔵庫でも邪魔にならず、続けやすくなります。容器に入りきらなかった糠床はポリ袋に入れて冷凍保存。足し糠やお料理に使えます。
糠床は毎日かき回さなくても大丈夫。冷蔵庫に入れて保存し、清潔な手で触っていれば、トラブルになることも少ないです。ただ、野菜を漬け続けていると、水っぽくなることがあります。そんなときはキッチンペーパーで水気を吸い取り、新しい糠と塩を足しましょう。
糠床の酸っぱいにおいが強くなってきたときは、粉からしや陳皮を入れて、よく混ぜてみてください。菌の繁殖を抑え、酸味を抑えてくれます。
表面に白い膜が発生したときも慌てずに。表面の白い膜は酸膜酵母といい、カビではないので、よくかき混ぜればOK。色のついたカビの場合はその部分をこそげ取り、新しい糠と塩を足します。冷凍庫に保存しておいた「足し糠」があれば、それを足すと回復します。
米糠 | 500g |
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塩 | 85〜90g |
水 | 500ml |
刻み昆布 | 2g |
干し椎茸 | 1個 |
赤唐辛子 | 1本(種を取る) |
捨て野菜 | 適量(大根やにんじんの皮など) |
鍋に水と塩を入れて沸騰させる。泡立て器で塩を完全に溶かし、粗熱を取る。
ボウルに米糠、刻み昆布、干し椎茸、唐辛子を入れて、①を加える。手で混ぜ合わせる。
捨て野菜を入れて混ぜ合わせ、ポリ袋に入れる。冷蔵庫で保存する。
1日に1回ポリ袋の口を開け、袋の上から糠床をもみ込む。1週間後から使える。
会社員を経て、京都の大徳寺塔頭(たっちゅう)にて1年間生活。フランスに料理留学後、発酵研究家、料理家の活動を開始。雑誌や書籍、料理教室、講演など多方面で活躍。近著に『真藤舞衣子の まいにちおいしい! 豆腐と油揚げ』(高橋書店)がある。
この記事は『四季dancyu 2023 冬』に掲載したものです。
文:柿本礼子 写真:山田薫