豆腐は毎日食べても飽きない食材。シンプルゆえにアレンジが利くので、組み合わせ方一つで、いろいろな味を楽しめます。今回は、卵黄とねぎだれで味わう冷奴です。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とそのコツを教えていただきました。
お酒の好きな方は、ご自分の定番のあてが必ずあると思います。特にアレンジの利くものは、常備していろいろなお酒に合わせて楽しめますよね。その最強が、お豆腐。私も大好きで冷蔵庫に常備しています。
豆腐は江戸時代から『豆腐百珍』という料理本があるくらい、多くの調理法がありますが、王道の冷奴もたれ一つで味変します。今回は酒呑みが大好きな卵黄をからめながらいただく一品をご紹介しますね。
豆腐と卵のつなぎ役は、青ねぎを入れたねぎだれです。つくり置きしておくととっても便利。4〜5日保存可能で、焼き魚にかけたり、お肉にかけたり。卵黄と合わせるとねぎたまだれになり、これがまた日本酒に合うんです。
卵黄とねぎが効いた、まったりとした味なので、お酒もまったり。甘い口当たりで発泡感のあるにごり酒の生酒を合わせました。
充填豆腐 | 2丁(300g) |
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★ ねぎだれ | |
・ 醤油 | 大さじ1 |
・ 白胡麻 | 大さじ1 |
・ 青ねぎ | 大さじ1(小口切り) |
・ 砂糖 | 大さじ1/2 |
・ 胡麻油 | 大さじ1/2 |
・ 豆板醤 | 小さじ1/2 |
・ おろしにんにく | 少々 |
長ねぎ | 4cm分(約10g)(白い部分) |
卵黄 | 2個分 |
ねぎだれの材料をよく混ぜ合わせてたれをつくる。
長ねぎは粗みじんにし、水にサッとさらしてから水気を絞る。
豆腐の真ん中をスプーンで少しすくい、くぼんだところに卵黄をのせる。②のねぎを添え、①のたれを半量ずつかけ、崩しながらいただく。
京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。
文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ