大原千鶴さんの「今宵のあて」
なめらかなソースもカリッとした唐揚げも、どちらも豆腐。異なる食感で味わう「豆腐の唐揚げ 豆腐ソース」

なめらかなソースもカリッとした唐揚げも、どちらも豆腐。異なる食感で味わう「豆腐の唐揚げ 豆腐ソース」

豆腐は生のままで美味しいですが、唐揚げとソースにして組み合わせると、いつもの豆腐がぐんと格上げされます。異なる食感で豆腐が味わい深くなり、ソースの胡麻の風味がお酒をぐいっと誘います。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに「豆腐の唐揚げ 豆腐ソース」のつくり方とコツを教えていただきました。

なめらか豆腐とカリッと豆腐を、へべすを浮かべた麦焼酎のロックが引き立てる

豆腐はオールマイティーな食材で、そのままでも加熱しても美味。煮ても焼いても蒸してもよく、相性のいい油で揚げると、淡白な豆腐が油分によってご馳走になります。

豆腐につける片栗粉は、時間が経つと豆腐の水分でべちゃっとなるので、揚げる直前にまぶします。揚げ油の量は少なめで、表面が固まってきたら転がしながら揚げます。表面がカリッとして、中が柔らかで、得も言われぬ美味しさなので、ぜひ揚げたてを召し上がってください。

豆腐ソースは以前にも紹介していて(2025年9月21日配信)、フルーツと合わせて白和えのような仕立てにしました。つくり方はとても簡単で、水きりした豆腐と練り胡麻、砂糖、塩をブレンダーで攪拌するだけ。冷蔵庫で3~4日持つので多めにつくっておくといろいろな料理にアレンジできます。

お酒は麦焼酎のロックで、へべすを浮かべました。へべすの酸味で味わいに奥行きが生まれ、唐揚げにもソースにもフィットします。

豆腐ソースのつくり方

材料材料 (1回分)

絹ごし豆腐 1/4丁(90g)
白練り胡麻20g
砂糖小さじ1/2
小さじ1/4

1豆腐の水気をきる

豆腐をキッチンペーパーに包み、10分ほど置いて水気をきる。

2ソースをつくる

①と練り胡麻、砂糖、塩をハンドブレンダーで攪拌し、なめらかにする。

味噌漬け

豆腐の唐揚げのつくり方

材料材料 (2人分)

絹ごし豆腐1/2丁(180g)
片栗粉小さじ2
米油適量
豆腐ソース適量
黒七味少々

1豆腐の水気をきる

豆腐はキッチンペーパーに包み、10分ほど置いて水気をきる。

2豆腐に粉をまぶす

キッチンペーパーを外した①を8等分に切り、揚げる直前に片栗粉をまぶす。

3豆腐を揚げる

フライパンに米油を1cmほどの高さまで入れて中火にかける。180℃になったら②を入れ、表面が固まってきたら転がしながらカリッとするまで2分ほど揚げ、油をきる。

4仕上げる

器に③を盛り、豆腐ソースをかけ、黒七味をふる。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。