有賀 薫さんの毎日食べたい乾物スープ
ジャンキーな美味しさ!"切り干し大根とポテトチップスのカップスープ"

ジャンキーな美味しさ!"切り干し大根とポテトチップスのカップスープ"

切り干し大根の旨味と食感を生かしたスープです。歯ごたえを残すように軽くもどすと、コリコリした食感で腹持ちよし。旨味と栄養の詰まった乾物を意外な利用法で使いながらつくる、デイリーに役立つスープを有賀 薫さんに教わりました。

スープ使いで乾物革命が起きる!

乾物はめんどうで手間がかかる、乾物といえば煮物でしょ、なんて思っているみなさん!

有賀さんの乾物スープをつくれば、その簡単な使い方とおいしさに驚き、たちまち乾物革命が起きます。

「乾物は、もどすとたいていのものはだしが出ます。切り干し大根やスルメ、ドライフルーツだって、もどし汁がスープの旨味になるんです」

有賀さんが今回使う乾物は、きくらげ以外いずれもスープのベースに欠かせない旨味となり、スープに深い味わいをつくる。さらに、もどした後はだしガラにならずに具材となり、その食感はアクセントにも。滋味深いが地味だった乾物は、スープに使うことでその存在感を大いに発揮するのだ。

「乾物だからといって難しく考えなくていいんです。スルメも元はイカ。だからイカと合うものなら何でも合います。きくらげだったらきのこ。スープの具にきのこをプラスすると考えれば、簡単に使いこなせますよ」

さらに乾物がエライのは、だしを出し、かつまただしを吸ってくれること。たとえばスルメとトマトのスープは、スルメが旨味を出した後にスープを吸い込むので、10分煮るだけでまるでイカのトマト煮込みのような深い味わいになるのだ。

さあ、復唱しますよ。昆布やいりこだけじゃない。乾物はだしがとれる上、具材にもなって一石二鳥。有賀さんの乾物使いを覚えておけば、一袋買っても余すところなく使いきれるはず。これからはいつでもサッと取り出せるよう、ストックしておきたい常備品になることまちがいなしです!

“切り干し大根とポテトチップスのカップスープ”のつくり方

旨味調味料代わりのポテトチップスで、滋味あふれる味わいがパンチをきかせた味に一変!切り干し大根の食物繊維と鉄分補給で、最強のランチスープに。ちょっと小腹がすいたときにも◎。のり塩味のほか、チリ味も有賀さんのおすすめ。

材料材料 (1人分)

切り干し大根大さじ1(*)
乾燥わかめひとつまみ
ひとつまみ
ポテトチップス好みの量(のり塩味)

*天日干しの切り干し大根は少し匂いが強くなるので、機械干しを選ぶと匂いが気にならない。長い場合は、はさみで食べやすく切る。

1熱湯を注ぐ

カップに切り干し大根と塩を入れ、熱湯150mlを注ぐ。

熱湯を注ぐ

2しばらくおく

皿などで蓋をして3分ほどおく。

しばらくおく

3仕上げ

乾燥わかめを加え、もどったらポテトチップスをたっぷり砕いてのせ、混ぜながら食べる。

仕上げ
完成

教える人

有賀 薫 料理研究家

有賀 薫 料理研究家

2011年より毎日SNSでスープのある生活を発信。スープから始まるライフスタイルを提案している。実験イベント“スープ・ラボ”はじめ、スープをテーマにしたイベントを多数主催。2020年『朝10分でできる スープ弁当』(マガジンハウス)が第7回料理レシピ本大賞料理部門入賞。最新刊は『スープ・レッスン2』(プレジデント社)。

技あり!dancyuスープ
技あり!dancyuスープ
A4変型判(112頁)
2020年12月18日発売 / 880円(税込)

文:神吉佳奈子 撮影:鈴木泰介

神吉 佳奈子

神吉 佳奈子 (編集者)

1969年、酒どころ広島で生まれる。出版社を渡り歩き、家庭菜園雑誌や食雑誌、料理本の編集に携わる。2018年5月まで、100人の高校生と名人をつなぐ「聞き書き甲子園」の事務局に所属。食と農の手仕事を伝えるべく、フィールドワークを続けている。