坂田阿希子さんの欧風ビーフカレー
シルキーなカレーソースがビフカツを盛り立てる"ビフカツカレー"

シルキーなカレーソースがビフカツを盛り立てる"ビフカツカレー"

なめらか仕立てのカレーソースで、揚げ衣のサクサク感とヒレ肉特有のやわらかさを堪能できます。料理研究家の坂田阿希子さんに、つくってワクワクするド迫力のビーフカレーを教えてもらいました。

“ビフカツカレー”のつくり方

おなじみのカツカレーとは一線を画す、洗練されたひと皿。なめらかでフルーティーなカレーソースで、牛ヒレ肉をがっつり楽しむ。

材料材料 (2人分)

★ ビフカツ
・ 牛ヒレ肉2枚(1枚150〜180g)(カツ用/調理の1~2時間前に冷蔵庫から出す)
・ 塩少々
・ 胡椒少々
・ 小麦粉適量
・ 揚げ衣
 ├ 溶き卵適量
 └ 生パン粉適量
・ 揚げ油*1適量
★ カレーベース
・ にんにく1片(みじん切り)
・ 生姜1片(みじん切り、大)
・ 玉ねぎ2個(みじん切り)
・ ラード大さじ2
りんご1/2個(皮をむいてすりおろし)
にんじん1/2本(すりおろし)
ホールトマト1/2缶(約200g)(缶詰)
赤ワイン1/2カップ
カレー粉大さじ3
小麦粉大さじ1
3カップ
ビーフブイヨン小さじ1*2(顆粒)
ウスターソース小さじ2
トマトケチャップ小さじ2
小さじ1と1/2
バター30g
ご飯適量(温かいもの)

*1 サラダ油500mlにラード250gほどの割合で合わせて使うと、風味とコク、ボリューム感がアップ。
*2 〔正統派ビーフカレー〕、または〔牛すじカレー〕の牛すね肉、または牛すじ肉のゆで汁があれば、それを水、ビーフブイヨンを合わせた量と同量で使うのがおすすめ。

1玉ねぎを炒める

鍋にラードを入れて中火にかけ、にんにくと生姜を炒める。香りが立ってきたら玉ねぎを加えて強火にしアメ色になるまで炒める。

2赤ワインを加える

赤ワインを加えて混ぜ合わせ、半量程度になるまで煮詰める。

赤ワインを加える
煮詰めると赤ワインの香りがグッと立ってくる。

3カレー粉を炒める

中火にし、カレー粉、小麦粉を加えて炒める。

カレー粉を炒める
粉っぽさがなくなり、香りが立ってくるまで炒めればOK。

4煮る

香りが立ったら、りんご、にんじん、つぶしたトマト、水、ビーフブイヨンを加えて弱火で約20分煮る。

煮る
りんごとにんじんで、フルーティーな味わいに。

5ウスターソースを加える

ウスターソース、トマトケチャップ、塩を加え、さらに約10分煮る。

ウスターソースを加える
少しのウスターソースが、全体の味を引き締める。

6こす

⑤をザルでこす。なめらかになったソースを鍋に戻して中火にかけ、小さく切ったバターを加える。味をみて足りなければ塩で調整する。

こす
このひと手間でシルキーなソースに。フードプロセッサーなどでなめらかにしても。

7ヒレ肉に粉をまぶす

室温にもどした牛ヒレ肉は両面に塩、胡椒をふる。小麦粉を薄くまぶし、冷蔵庫に約30分入れる。

8衣をつける

⑦を冷蔵庫から出し、再度小麦粉を薄くまぶして余分な粉を落とし、溶き卵、パン粉の順で衣をつける。

衣をつける
ザクッとした食感を楽しむため、粗めの生パン粉を使用。

9揚げる

鍋に揚げ油を入れて中火にかけ、180℃に熱して、⑧を入れる。

揚げる
揚げ油にラードを使うと、風味、コク、ボリューム感が格段にアップし、洋食屋の味に。

10休ませる

約30秒後にバットにセットした揚げ網などに引き上げて、3分おく。

休ませる
この時点では、うっすらと色づいているくらいでOK。

11二度揚げする

10を再度揚げ油に入れ、40~50秒で引き上げ、2〜3分おいて休ませる。

二度揚げする
美しいきつね色!休ませながら高めの温度で揚げると、外はカリッと、中はほどよい火の通り具合に。

12仕上げ

器にご飯を盛り、ビフカツを切り分けて並べる。⑥のカレーソースを適量かける。

完成

教える人

坂田阿希子 料理研究家

フランス菓子店やフランス料理店での経験を重ねたのち、料理研究家として独立。2019年に東京・代官山に「洋食KUCHIBUE」をオープンし、オーナーシェフとして厨房で腕をふるう。同店で開催する料理教室も人気。『温かいからおいしいお菓子』『おやつ教本』などお菓子部門の著書も多数。

※この記事は『技あり!dancyu カレー』に掲載したものです。

技あり!dancyuカレー
技あり!dancyuカレー
A4変型判(96頁)
2018年3月28日発売/880円(税込)

文:遠藤綾子 写真:原 ヒデトシ