とろとろに煮詰めたソースがフジッリのすき間にしっかり潜り込むから、どこを食べても鰯の旨味が詰まっています!もちろん、鰯と日本酒の相性は抜群です。酒肴家として有名な料理研究家の稲垣知子さんに、日本酒と相性抜群なパスタレシピを教えてもらいました。
ルッコラでほろ苦さをプラスし、セロリで魚の生臭みを抑える。仕上げにぎゅっとレモンを搾れば、鮮烈な酸味で鰯のおいしさが際立つ。
個性のある魚介系パスタには、味の要素が多く、ボリュームがありながら、きりっとした酸に特徴のある日本酒が向く。ウニのコクやホタルイカのワタ、鰯の脂の味など、魚介のおいしさを酒の「旨味」が受け止め、生臭さやクセにつながるニュアンスを「酸」がきれいに流してくれる。スパークリングの泡も、酸と同じような役割を果たすのでおすすめ。
フジッリ | 100g |
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鰯 | 2~3尾(約100g)(刺身用・三枚おろし) |
ルッコラ | 2~3枝 |
セロリ | 1/2本 |
にんにく | 1/2片分(薄切り) |
白ワイン | 50ml |
オリーブオイル | 小さじ1 |
レモン | 適量(くし形切り) |
塩 | 適量 |
鰯は薄皮をひいて大きめの一口大に切る。ルッコラは小さい葉を飾り用に取り分け、残りを長さ3cmに切る。セロリは斜め薄切りにする。
鍋に水1L、塩小さじ2と1/2を入れて沸かし、フジッリを表示時間より1分短くゆでる。
フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて中火にかけ、にんにくの香りが立ったら鰯を入れて両面を焼く。飾り用の鰯を2~3切れ取り出してセロリを加え、鰯をくずしながら炒める。
セロリが透き通ってしんなりしたら白ワインを加え、軽く混ぜながらしっかりと煮詰める。
ほとんど水分がなくなったら、ルッコラを加えてさっと混ぜ、②のフジッリを湯をきらずにフライパンに直接加え、強火にしてしっかり炒め合わせる。味をみて足りないようならゆで汁を大さじ1~2加え、ツヤが出て少し水分が残る状態で火を止める(さらに味をみて足りなければ塩でととのえる)。
器に盛り、取り分けておいたルッコラ、鰯を飾り、レモンを添える。
和食からエスニックまで、ジャンルを超えて日本酒に合う酒肴を探求。「パスタで飲む」も、稲垣さんにとっては当たり前のこと。「料理を食べた後、お皿に残ったおいしいエキスに、ゆでたパスタをからめてさらに飲むことも(笑)。アクアパッツァは特におすすめです」
※この記事の内容はプレジデントムック技あり!dancyu「パスタ」に掲載したものです。
文:佐々木香織 写真:宮濱祐美子