うどといえば苦味の野菜……と思いきや、じっくり炒めるとじわじわと繊細な甘味がでできます。香菜の香りとあいまって、酒が進む味わいにまとまります。酒肴家として有名な料理研究家の稲垣知子さんに、日本酒と相性抜群なパスタレシピを教えてもらいました。
焦がさないように弱めの火加減で、パスタをゆでている間ずっと炒め続けるのが甘味を引き出す秘訣。炒めた香菜の、どこかバターに似た香りも大切なアクセント。
ねぎやうどの優しい甘味に合わせるなら、お酒も突出した味や香りが少なく、バランスのよい優しい味わいのものを。どちらの日本酒も、ほどよく旨味はありつつ、後半ですっと水のように消えていく清らかさが気持ちよい。日本酒のなかに潜むほのかな苦味も、野菜の甘味と好相性だ。
スパゲッティーニ | 100g |
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うど | 1本 |
香菜の葉 | 2~3枝分 |
オリーブオイル | 小さじ2 |
粉山椒 | 適宜 |
塩 | 適量 |
うどは皮をむかずに縦半分に切って斜め薄切りにする。香菜はみじん切りにする。
鍋に水2L、塩大さじ1と1/2を入れて沸かし、スパゲッティーニを表示時間より1分短くゆでる。
フライパンにオリーブオイルを弱めの中火で熱し、①を加えて塩ひとつまみをふり、じっくり炒める。
うどが薄く茶色に色づいて十分しんなりしたら②のスパゲッティーニを湯をきらずにフライパンに直接加え、強火にしてざっくり炒め合わせる。味をみて足りないようならゆで汁を大さじ1~2加えて混ぜ、さらに味をみて足りなければ塩でととのえる。器に盛り、好みで山椒をふる。
和食からエスニックまで、ジャンルを超えて日本酒に合う酒肴を探求。「パスタで飲む」も、稲垣さんにとっては当たり前のこと。「料理を食べた後、お皿に残ったおいしいエキスに、ゆでたパスタをからめてさらに飲むことも(笑)。アクアパッツァは特におすすめです」
※この記事の内容はプレジデントムック技あり!dancyu「パスタ」に掲載したものです。
文:佐々木香織 写真:宮濱祐美子