自他ともに認めるラーメンマニアかつ、レコード番長の異名を持つ人気DJ須永辰緒さんが、ラーメンレシピとともに、そこに込めたテーマや思いをもとに組んだ音楽のプレイリストをご紹介する連載「須永辰緒のMUSIC&RAMEN」。第五回は昔ながらの醤油らぁ麺に生ハムのだしも加えた、温故知新の一杯。曲もそれに合わせて昔ながらのフレームを踏まえてリロードされたものをご紹介します。
今回使わせてもらったのは旧知の間柄というかホームタウンでもある笹塚ボウル(渋谷区)のキッチン。普段から豊富なメニューを提供しているので「もしや?」と確認してみるとあるじゃないですか!ミート・スライサー。
家庭のキッチンにはそんな大きな調理器具を置くスペースもないので諦めてたけど(家人には相談したことがありますが、当然却下)ラーメン雑誌等でよくみるじゃないですか?ピンク色の美しいチャーシューがどんと乗ったルックスのあれです。あれは相当大きな塊の肩ロース肉でないと無理だけど、ひとまず薄切りはできる。先ずはチャーシューの作り方の手順行きます。本当は3キロくらいの塊が理想ですが(今回は)500gの肩ロースを使用します。
先ずは醤油と塩で真空パックして一晩味を入れる。翌日低温調理器を使い68℃で1時間弱湯煎(豚肉の低温調理は衛生面の点もあり大きさによって湯煎の時間は変わるのでくれぐれもご注意下さい)。取り出したら直ぐに氷で冷やしそのまま一晩冷蔵庫で寝かし固めます。そうすることでスライサーに耐えうる成形ができるのです。つまりこのタイプのチャーシューを使っているお店はその作業に2日間掛かるのですね。
飲食店で何気なく提供される料理の有り難さを思い知りますよね。スープは前回同様のものを使用しますがタレを醤油にするだけでイメージはガラッと変わります。醤油はあの「美味しんぼ」でも絶賛されていた三つ星醤油を贅沢に使用。そして今回は更に某行列店インスパイアな「追いハム」で旨みと塩気をプラスすることでより深い味になったかと思います。
色んな表記がある「ラーメン」ですが、ボクが今の雰囲気でしっくり来るのは「らぁ麺」なのです。今回も温故知新の意味を含めて「醤油らぁ麺」とさせて頂きました。その温故知新は音楽にも通じるところもあり、それは、昔ながらのフレームがありそれを踏まえてリロードされた音楽を指します。90'sから現在までその進化は止まりません。そういう「らぁ麺」な曲を意識的に選んでみました。
※プレイリストの再生にはSpotifyのアカウントが必要です。
★ 鶏だし※ | |
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・ 水 | 4L |
・ 丸鶏 | 一羽(2キロほど) |
・ にんにく | 2片 |
・ 生姜 | 50g |
・ ネギの青い部分 | 2本 |
★ 魚介だし※ | |
・ 水 | 4L |
・ 鰹厚削り節 | 一掴み |
・ 混合節 | 30g |
・ 干し貝柱 | 10g |
・ 昆布 | 合わせて10g(利尻、日髙) |
・ 干し椎茸 | 5g |
・ 桜エビ | 適量 |
鶏の皮 | 500g |
★ 醤油ダレ※ | |
・ 三つ星醤油 | 200cc |
・ 塩 | 10g |
・ 酒 | 50cc |
・ みりん | 50cc |
・ 昆布 | 一片 |
★ 醤油らぁ麺 | |
・ 中華麺 | 140g |
・ 鶏だし | 200cc |
・ 魚介だし | 200cc |
・ 生ハム | 5枚 |
・ 鶏油 | 40cc |
・ 醤油ダレ | 40cc |
★ トッピング | |
・ 味玉 | 2個 |
・ 長ねぎ | 適量 |
・ チャーシュー | 適量 |
・ メンマ | 適量 |
※基本、分量外。余ったスープやタレは料理にお使い下さい。
醤油ダレの材料を鍋にいれ火にかける。一分ほど煮立たせたら冷まし、冷蔵庫で一日置く。
だしと鶏油を鶏塩そばのレシピ(https://dancyu.jp/recipe/2023_00008164.html)と同じようにとる。
②の2種類のだしを200ccずつ小鍋に入れ、生ハムを加えてひと煮立ちさせる。
長ねぎを細く切り、水にさらしザルに上げて水気をとる。
丼に醤油ダレと鶏油を入れる。
麺を表示通りの時間でゆでる。
⑤に③のだしを入れてスープをつくる。
⑦に⑥の麺を入れ、トッピングをのせたら完成。
文:須永辰緒 写真:竹之内祐幸