藤井恵さんの今宵の酒と季節のおつまみ
日本酒に合わせたい"しらすと甘長の塩麹だし巻き卵"

日本酒に合わせたい"しらすと甘長の塩麹だし巻き卵"

しらすの塩気と旨味をきかせた藤井家の冬の定番おつまみ。甘長唐辛子のピリッとした辛さが日本酒にぴたりと寄り添います。自他ともに認める大の酒好きの料理研究家・藤井恵さんに、旬の食材を取り入れた体に負担のないおつまみレシピを教えてもらいました。

食べたい酒肴を豆皿に少しずつ。気ままに愉しむ、ひとりの晩酌時間

自他ともに認める大の酒好き。地方を旅すれば、酒場をさまよい、地元で愛される居酒屋の暖簾をくぐる。そこで佳肴に出合うと、自宅で再現を試みる。テレビや雑誌でにこやかに料理を教える藤井恵さんの、もうひとつの「顔」だ。
お酒なら何でも呑むが、圧倒的な日本酒党。一升瓶を買い込み、とことん酒と向き合う。「ふだんは夫とふたりで晩酌をしますが、ひとりで日本酒を呑む時間もたまらなく好き」と、折敷にのせたおつまみセットを見せてくれた。
「食べたいものをちょこちょこと豆皿に盛り、お酒との相性を黙々と愉しみます(笑)」 おつまみは旬の食材を取り入れつつ、体に負担のないよう、野菜を中心にしたラインナップに。冬なら青菜をおひたしにしたり、和え物にしたり、さっとできるものが並ぶ。こっくりとした味噌味のおつまみも、寒い冬に欠かせない。
「日本酒も味噌も同じ発酵食品。合わないわけがないですよね」と藤井さん。
酒量は平均1~2合。翌日に残らないよう心掛けているが、「うれしいことがあった日は、ついつい呑みすぎちゃうんです」。

“しらすと甘長の塩麹だし巻き卵”のつくり方

釜揚げしらすと甘長唐辛子の組み合わせは、蕎麦屋呑みをしたときに出合った味。
店主の個性がちらりと見えるだし巻き卵に目がないんです。
甘長がなければ、ししとうや長ねぎに替えても。

材料材料 (2人分)

3個
釜揚げしらす40g
甘長唐辛子2本分(小口切り)
A
・ だし大さじ3
・ 塩麹小さじ1
太白胡麻油小さじ1と1/3

1卵液をつくる

ボウルにAを入れて混ぜ、卵を溶きほぐす。しらす、唐辛子も加えて混ぜる。

2卵液の1/4量を焼く

卵焼き器に油小さじ1/3を広げて強めの中火で熱し、①の卵液の1/4量を流し入れて広げる。上面が半熟状に焼けてきたら奥から手前に巻き、巻き終わったら卵焼き器の向こう側に寄せる。

3繰り返し焼く

再び油小さじ1/3を卵焼き器全体に広げ、卵液の1/3量を流し入れて広げる。上面が半熟状に焼けたら向こうに寄せた卵を軸にして奥から手前に巻く。同様にあと2回焼く。

4器に盛る

③を食べやすく切り、器に盛る。

完成

教える人

藤井恵 料理研究家

藤井恵 料理研究家

料理研究家。生粋の呑んべえで日々、晩酌を欠かしたことはなく、休肝日はほぼゼロ。とはいえ、管理栄養士としての知識とこれまでの経験を生かし、ヘルシーでおいしいつまみレシピを雑誌や書籍、テレビなどで紹介している。酒好きにお薦めの著書は『居酒屋ふじ井』(永岡書店)、『世界一美味しい!やせつまみの本』(主婦と生活社)など多数。趣味は居酒屋巡りと温泉。最近では長野の別荘で、地物の食材でつまみをつくり、信州の地酒を味わうのが至福の時間。

文:佐々木香織 写真:ローラン麻奈

この記事は四季dancyu 2022 冬に掲載したものです。

四季dancyu2022冬
四季dancyu2022冬
A4変型判(120頁)
2022年12月13日発売/1,100円(税込み)
佐々木 香織

佐々木 香織 (ライター)

福島出身の父と宮城出身の母から生まれ、東北の血が流れる初老の編集ライター。墨田区在住。食べることと飲むことが好き。お酒は何でも飲むが、とくに日本酒と焼酎ラヴァー。おもな仕事は新聞やウェブでの連載、雑誌や書籍の編集・取材・執筆。テーマは食べもの、お酒、着物など。