ミッパンチャンとは韓国語で常備菜のこと。濃いめに味つけされているので、おつまみにもぴったり!自他ともに認める大の酒好きの料理研究家、藤井恵さんに、旬の食材を取り入れた体に負担のないおつまみレシピを教えてもらいました。
日本酒がひとりでしっとり味わう酒なら、韓国のお酒は親しい人たちとワイワイ呑むのがおいしい、と藤井さん。韓国に嫁いだ娘に会うため、今秋久しぶりにソウルを訪れ、家族みんなで乾杯したときに改めて実感したと言う。
「ソウルの町の食堂や焼肉屋さんで食事をしましたが、どこもとても賑やか。堅苦しいしきたりやマナーはなく、明るくて気楽にお酒を愉しむ雰囲気がいいんです」
韓国ではすっきりとした飲み口の焼酎『ソジュ』や、日本のどぶろくに似た『マッコリ』が定番の酒。ビールもよく飲まれている。
藤井さんが韓国料理にハマったのは、じつに20年も前のこと。東京の韓国料理教室にも通い、マイレシピを増やしてきた。
「韓国料理の特徴はとにかくたっぷり野菜を摂ること。食べると体が浄化されます」
キムチやコチュジャン、唐辛子などの辛味は代謝を上げ、チゲ(鍋)は体を内側から温めてくれる。日本よりも寒さの厳しい韓国には、冬を健やかに乗りきるためのレシピが数多くある。元気のない冬の夜こそ、韓国のお酒とおつまみで、明るくヘルシーに晩酌タイムを過ごしてみてはいかが?
日本の甲類焼酎と同じく連続式蒸留による蒸留酒で、韓国を代表する日常酒。甘い味が特徴で、韓国料理の辛味や脂っこさを洗い流す効果があります。キンキンに冷やしてショットグラスで呑むのが定番ですが、初心者はソ ーダで割ってライトな味を愉しんでも。
読んで字のごとく、韓国で日常的に食べられている常備菜のこと。家庭ではもちろん、韓国の食堂でもテーブルの上にずらりと無料のミッパンチャンが並びます。日持ちがするように濃いめに味つけされているので、おつまみにもぴったり。韓国の焼酎がスイスイ進みます。
割り干し大根 | 100g |
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A | |
・ 白玉粉 | 小さじ1(米粉でも可) |
・ 水 | 大さじ2 |
B | |
・ 韓国粉唐辛子 | 大さじ2 |
・ うす口醤油 | 大さじ1 |
・ 魚醤 | 大さじ1 |
・ オリゴ糖 | 大さじ1(水飴でも可) |
・ 砂糖 | 小さじ1 |
・ にんにく | 2片分(たたきつぶす) |
長ねぎ | 5cm分(みじん切り) |
葉唐辛子の佃煮 | 30g(あれば) |
大根はさっと洗い、水1カップに10分ほど浸し、水気を軽く絞る。
小鍋にAを入れて混ぜ、中火にかけて煮立てる。ドロドロののり状になったら火を止めて冷ます。
ボウルに②、B、ねぎ、葉唐辛子の佃煮を入れて混ぜ、①を加えて和える。
好みのナッツ | 合わせて150g(松の実、かぼちゃの種、くるみ〈ロースト〉、アーモンドなど) |
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ちりめんじゃこ | 50g |
A | |
・ オリゴ糖 | 大さじ1/2 |
・ 酒 | 大さじ1/2 |
・ 醤油 | 小さじ1 |
胡麻油 | 小さじ1 |
フライパンにナッツとちりめんじゃこを入れて弱火にかけ、香ばしく煎って取り出す。
フライパンにAを入れて中火で煮立て、①を戻し入れてよく混ぜ、油を加えて全体にからめる。
料理研究家。生粋の呑んべえで日々、晩酌を欠かしたことはなく、休肝日はほぼゼロ。とはいえ、管理栄養士としての知識とこれまでの経験を生かし、ヘルシーでおいしいつまみレシピを雑誌や書籍、テレビなどで紹介している。酒好きにお薦めの著書は『居酒屋ふじ井』(永岡書店)、『世界一美味しい!やせつまみの本』(主婦と生活社)など多数。趣味は居酒屋巡りと温泉。最近では長野の別荘で、地物の食材でつまみをつくり、信州の地酒を味わうのが至福の時間。
文:佐々木香織 写真:ローラン麻奈
この記事は四季dancyu 2022 冬に掲載したものです。