尾身奈美枝さんの“フードロサない”アフターレシピ
"海老フライ"で余った衣、残った海老の殻はお宝だ!

"海老フライ"で余った衣、残った海老の殻はお宝だ!

料理家・フードコーディネーターの尾身奈美枝さんが毎回、余った食材をおいしく食べきるレシピを提案します。今回は、“海老フライ”をつくったあとに残った“衣問題”に真正面から向き合います。海老の殻も捨てません!

余ったフライ衣と海老の殻、もう捨てない!

こんがり、カリッと揚がった海老フライ。たっぷりのタルタルを添えて味わう幸せたるや!この幸せのためなら、手間をいとわないという人も多いはず。さて、フライにつきまとうのは、ちょこっとずつ残った衣の材料、小麦粉、パン粉、卵の3つをどうするか問題。もったいないけれど使い道がなくて、捨ててしまっているという人が多いのでは?
そしてたっぷりの海老の殻もまた、使えそうではあるのだが……。

エビフライ
黄金色に揚がったエビフライはたまらない!
余ったフライ衣と海老の殻
余ったフライ衣と海老の殻。さて、どうする?

そこで尾身さんに使い道をたずねると、「子どもの頃、余ったフライ衣でおやつをつくってくれたんですよ。海老の殻は、旨味たっぷりなのでだしになります。お宝なので、捨てないで!」と、力強い言葉。

尾身さん
「残ったフライ衣も海老の殻も、捨てないで!」と尾身さん。

というわけで今回は、“海老フライ”のアフターレシピ。フライを味わったあとに待っている、さらなるお楽しみをお届けしたい!

“フライ衣”がおやつに、おつまみに大変身!

「私の両親はかつて工務店を営んでいて、職人さんたちも一緒にご飯を食べていました。ボリューム満点のフライは我が家の定番メニュー。子どもの頃は母がよく、余った衣を混ぜてチャチャッと揚げて、砂糖をまぶしてドーナツにしてくれたんです。適当につくっているのに、これがおいしいんですよ」と、尾身さん。

実際につくってもらうと、残ったフライ衣を混ぜて揚げるだけなのに、ふっくらもっちり!今回は目安としてレシピで分量を出しているが、卵やパン粉などの量は正確にこの通りでなくてもOK。

「“ロサない”ことが目的なので、余っている衣の材料をすべて混ぜちゃいましょう。生地がやわらかければパン粉や小麦粉を足して、かたければ牛乳を足してください。適当でもおいしいのが、このドーナツのいいところです」

今回はシナモンシュガーをまぶしたが、きな粉や黒糖をまぶして和風にしてもいい。また、生地にチーズを加えて塩味のドーナツにすれば、ビールに合うつまみに。青海苔を加えてゼッポリーニ風にしても美味だ。フライ衣はもう捨てない!

“フライ衣のシナモンシュガードーナツ”のつくり方

フライ衣のシナモンシュガードーナツ
尾身さんが母のマツエさんから受け継いだ、フライ衣ドーナツ。ふっくら、もっちり。

材料材料 (4個分)

★ フライ衣の残り
・ パン粉1/2カップ
・ 薄力粉大さじ2
・ 卵大さじ1
牛乳大さじ1
砂糖小さじ1
揚げ油適量
グラニュー糖適量
シナモン適量

1ドーナツ生地を混ぜる

ボウルにフライ衣の残り、牛乳、砂糖を入れて混ぜ合わせる。生地を4等分して丸める。

ドーナッツ生地を混ぜる

2油で揚げる

揚げ油を160~170℃に熱し、丸めた生地を入れて揚げる。こんがり色づいたら取り出す。

油で揚げる

3シナモンシュガーをまぶす

ボウルにグラニュー糖とシナモンを混ぜて、ドーナツを入れて転がしながらまぶす。

シナモンシュガーをまぶす

“フライ衣のチーズドーナツ”のつくり方

フライ衣のチーズドーナツ”
チーズ味にすれば、ビールのつまみにぴったり!

材料材料 (4個分)

★ フライ衣の残り
・ パン粉1/2カップ
・ 薄力粉大さじ2
・ 卵大さじ1
牛乳大さじ1
粉チーズ大さじ2
揚げ油適量
黒胡椒適量
一味唐辛子適量

1ドーナツ生地を混ぜる

ボウルにフライ衣の残り、牛乳、粉チーズを入れて混ぜ合わせる。生地を4等分してラグビーボールのような紡錘形に丸める。

2油で揚げる

揚げ油を160~170℃に熱し、丸めた生地を入れて揚げる。こんがり色づいたら取り出す。

3粉チーズ、黒胡椒、一味をまぶす

ボウルに粉チーズ適量(分量外)、黒胡椒、一味を混ぜて、ドーナツを入れて転がしながらまぶす。

“海老の殻”はスゴイ!極上ビスクが簡単に

ビスク
海老の旨味が濃厚!バゲットを添えて、浸しながら味わって。

せっかく殻付きの海老で海老フライをつくったのなら、旨味がたっぷりの殻まで使い切りたい。そこで尾身さんが教えてくれたのが、“海老殻のビスク風”だ。玉ねぎと一緒に炒めて香ばしさを引き出したら、トマトペーストで煮込んで濾して、殻のエキスをギュッとしぼるのがポイント。「有頭海老を使ったときは、みそがたっぷりの頭も加えてつくってみてください。さらに濃厚な味が楽しめますよ」と、アドバイス。このスープとバゲットがあれば、幸せになれること間違いなし。ぜひお試しあれ!

“海老殻のビスク風”のつくり方

材料材料 (2人分)

海老の殻4尾分
玉ねぎ(A)50g(薄切り)
玉ねぎ(B)30g(薄切り)
トマトペースト大さじ1
オリーブオイル大さじ1
白ワイン50ml
400ml
適量
黒胡椒適量
パセリ適量(みじん切り)
バゲット適量(スライス)

1玉ねぎと海老の殻を炒める

鍋にオリーブオイルをひいて中火にかけ、玉ねぎ(A)を炒める。しんなりしてきたら、エビの殻を入れて3~4分炒める。

玉ねぎと海老の殻を炒める

2トマトペーストを加えて煮る

トマトペーストを加えて炒め、さらに白ワインを加えて強火にする。アルコール分がとんだら水を加えて、煮立ったら中火で7~8分煮る。

トマトペーストを加えて煮る
トマトペーストを加えて煮る

3濾して味を調える

ザルでスープを濾し、別の鍋に入れる。ザルに残った殻はヘラを押し当てて、しっかり旨味をしぼる。鍋を中火にかけて、煮立ったら玉ねぎ(B)を入れて軽く火が通るまで煮る。塩、黒胡椒で味を調える。器に盛ってパセリをふり、バケットを添える。

濾して味を調える

教える人

尾身奈美枝 料理研究家・フードコーディネーター

尾身奈美枝 料理家・フードコーディネーター

料理家・フードコーディネーターとして、テレビ番組を中心に、新聞・雑誌など様々なメディアに出演。料理番組の金字塔『料理の鉄人』の裏方を務め、「フードコーディネーター」 という職種を世に広め、定着させた先駆け的存在でもある。
「きょうの料理」 (NHK)「あさイチ」(NHK) などの番組に多数出演。“エコ”をテーマとした新しいレシピ提案を発信し続けている。

文:大沼聡子 撮影:山田薫

大沼 聡子

大沼 聡子 (編集者・ライター)

家庭科教師だった母親の影響で、小学生の頃から料理雑誌を愛読。現在はレシピ本の企画・編集のほか、食まわりの記事を雑誌・ウェブ等で執筆している。趣味は世界各国の料理をつくること、食べ歩くこと。