
様々な食文化と歴史的背景がからみ合って形づくられてきた、アメリカの郷土菓子。日本ではまだなじみが薄いけれど魅力的なものがたくさんあります。各地の郷土菓子に魅せられた菓子文化研究家の原亜樹子さんが、ぜひ知ってほしいお菓子をご紹介。2つめのお菓子は、ふわりと香るビールの芳香とほろ苦さを楽しむ食事パン、“ビールブレッド”。今回は、レシピ編です。
| ビール | 120g(苦みの少ないタイプ) |
|---|---|
| A | |
| ・ 中力粉 | 150g(または強力粉と薄力粉を半量ずつ) |
| ・ ベーキングパウダー | 小さじ1(4g) |
| ・ 重曹 | 小さじ1/4(1g) |
| ・ 塩 | 小さじ1/4(1.5g) |
| キャラウェイシード | 小さじ1/2 |
| メープルシロップ | 15g(または蜂蜜) |
| ブラウンシュガー | 10g(またはきび砂糖) |
| バター※ | 35g(食塩不使用) |
※耐熱皿、フライパンなどオーブンに入るものならOK
※有塩バターを使う場合は、【A】塩1/4→塩ひとつまみにする
◇下準備
・オーブンを190℃に予熱する。その際、天板にスキレットをのせて一緒に温めておく。耐熱皿を使う場合は割れる恐れがあるので温めずに使う。
・【A】を合わせてふるう。

バターを湯煎、またはレンジで溶かす。オーブンに入れて温めたスキレットに半量を注ぎ、全体に行き渡らせる。

ボウルにメープルシロップ、ブラウンシュガー、ビールを入れてゴムベラで混ぜて溶かす。

2に【A】、キャラウェイシードを加え、練らないようゴムベラで底から返すように大きく混ぜる。

3を1に流し入れ、平らにならす。

残りのバターを表面全体に回しかける。190℃のオーブンで20分ほど焼く。

全体に香ばしい焼き色がつき、中心に竹串を刺して生地がくっついてこなければ焼き上がり。



日米の高校を卒業後、大学で食をテーマに文化人類学を学ぶ。国家公務員から転身し、アメリカの食を中心に取材や執筆、レシピ製作を行う。『アメリカ郷土菓子』(PARCO出版)、『アメリカンクッキー』(誠文堂新光社)など著書多数。https://haraakiko.com/
文:鈴木美和 撮影:鈴木泰介