トルコの家庭料理
多彩なトルコのメゼ(前菜)"フムスやサラダ"

多彩なトルコのメゼ(前菜)"フムスやサラダ"

トルコには、食材や味わいが多彩なメゼ(前菜)がたくさんあります。パンをディップしたり、肉と合わせたりして楽しみましょう。驚くほど多彩な味わいを持っているトルコ料理をユーラシア大陸の料理の研究をライフワークとする荻野恭子さんに教えて貰いました。

多種多様なディップ

イスラムの国全般で親しまれる、ひよこ豆のフムスは、練り胡麻のコクが決め手。ピリ辛野菜ペーストのエズメサラタス、香ばしい焼きなすとヨーグルトを合わせたパトルジャン サラタス、白チーズにドライミントを効かせたハイダリなど、数種類あると楽しい。

フムス(ひよこ豆のディップ)のつくり方

材料材料 (4人分)

ひよこ豆*1カップ(乾燥)
A
・ 練り胡麻大さじ3(白)
・ 塩小さじ1/2
・ レモン汁大さじ2
・ にんにく1片分(すりおろす)
・ オリーブオイル大さじ3

*ひよこ豆はぬるま湯に2時間ほどつけて戻しておく。

1ひよこ豆をゆでる

鍋にひよこ豆とたっぷりの水、塩少々(分量外)を入れて中火にかけ、柔らかくなるまでゆでる。ゆで上がったら水気を取り、飾り用に数粒を取り分け、残りはフードプロセッサーにかけ、ペースト状にする。

2調味する

1のペーストにAを加えて混ぜ合わせる。器に盛り、取り分けておいたひよこ豆を散らし、オリーブオイル(分量外)を回しかける。

エズメ サラタス(つぶした野菜ペーストのサラダ)のつくり方

材料材料 (4人分)

A
・ 完熟トマト大1個分(種を取り、角切り)
・ 玉ねぎ1/4個分(みじん切り)
・ ピーマン*1個分(みじん切り)
B
・ にんにく1片分(すりおろす)
・ レモン汁大さじ1
・ 塩小さじ1
・ チリペッパー*小さじ1/2
オリーブオイル大さじ3
イタリアンパセリ適量(粗みじん)
ミントの葉適量

*ピーマンとチリペッパーの代わりに、青唐辛子1本を使ってもよい。

1野菜をペースト状にする

まな板の上にAをのせ、両手に包丁を持ってたたきながら混ぜ合わせ、ペースト状にする。

2調味する

1にBを加え、さらに混ぜ合わせる。トマトの味の濃さで仕上がりの味が変わるので、味をみて、旨味が足りないようならトマトペーストやトマトケチャップ(ともに材料外)を少量加えて補うとよい。

調味する
すりつぶしたもの、ペーストの意味を持つエズメ。トマトの熟し具合、水気が出すぎても仕上がりが変わるので、包丁でたたきながら味をみて調整を。

3仕上げ

2を器に盛り、オリーブオイルを回しかけ、イタリアンパセリとミントを添える。

パトルジャン サラタス(なすのサラダ)のつくり方

材料材料 (4人分)

なす3本
レモン汁大さじ1/2
A
・ にんにく1/2片分(すりおろす)
・ 塩小さじ1/4
・ プレーンヨーグルト50ml
オリーブオイル適量
チリペッパー少々(粗挽き)
黒オリーブの実適量

1なすを焼く

なすを直火または網の上にのせ、中火で中心が柔らかくなるまでしっかりと焼く。粗熱が取れたら皮とヘタを取り除き、包丁で細かくたたいてペースト状にし、レモン汁をかける。

なすを焼く
なすは箸で挟んでみて中心まで柔らかくなっていればOK。ガス火の場合は直にのせて焼くと早いが、火の扱いには気をつけて。

2調味する

1をボウルに入れ、Aを加えてよく混ぜ合わせる。器に盛ってオリーブオイルを回しかけ、チリペッパーをふり、オリーブの実を添える。

ハイダリ(チーズのディップ)のつくり方

材料材料 (4人分)

フェタチーズ*150g
プレーンヨーグルト*2200ml
ドライミント大さじ1/2
適量
ミントの葉適量

*1:トルコではベヤズペイニールという白チーズを使うが、手に入りにくいので、味わいのよく似たギリシャのフェタチーズで代用する。それも入手できない場合はカッテージチーズで代用し、塩を少し多めに使うとよい。

*2:プレーンヨーグルトは水きりしておく。もしくは水きりタイプのギリシャヨーグルトを使うとよい。

1混ぜ合わせる

ボウルにフェタチーズとヨーグルトを入れて、よく混ぜ合わせる。

2調味する

1に塩、ドライミントを加えてさらに混ぜ、器に盛り、ミントの葉を添える。

完成

教える人

荻野恭子

荻野恭子

おぎの・きょうこ●料理研究家。栄養士。世界65カ国以上を訪れて家庭料理を学び、食文化を研究している。料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」主宰。『家庭で作れるトルコ料理』(河出書房新社)、『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)など著書多数。

※この記事の内容は、四季dancyu「春のレシピ」に掲載したものです。

四季dancyu 春のレシピ
四季dancyu 春のレシピ
A4変型 判(120頁)
2022年3月15日発売/1,100円(税込)

文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。