トルコの家庭料理
海老のだしが染みわたったご馳走ピラフ"カルデスピラウ"

海老のだしが染みわたったご馳走ピラフ"カルデスピラウ"

中東でポピュラーなピラフです。しっかりと海老の旨味がいきわたっている、満足感の高い一品です。驚くほど多彩な味わいを持っているトルコ料理をユーラシア大陸の料理の研究をライフワークとする荻野恭子さんに教えて貰いました。

“カルデスピラウ”のつくり方

マクルーベ(アラビア語でひっくり返すという意味)という、中東地域で親しまれるご馳走ピラフ。なすや肉、いわしなどを敷き詰めたものが知られていますが、米にじんわりと甲殻類のだしが行き渡った海老版も人気です。

材料材料 (直径18cmの樹脂加工の鍋1個分)

海老8尾
3カップ
玉ねぎ1/2個分(粗みじん)
松の実大さじ2
レーズン大さじ1
ひよこ豆30g(ゆでたもの)
胡椒少々
シナモンパウダー小さじ1/2
オリーブオイル大さじ1と1/2
バター大さじ1と1/2
小さじ2
熱湯5カップ
レモン1/2個
イタリアンパセリ適量

1下ごしらえ

海老は殻と背ワタを取り除き、塩、胡椒各少々(分量外)をふる。米は洗ってボウルに入れ、熱湯3カップに塩小さじ1を溶かして注ぎ、30分ほどつけてザルにあげる。

下ごしらえ

2玉ねぎを炒める

フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れて弱火にかけ、玉ねぎと松の実、レーズンを炒める。玉ねぎが薄く色づいたらバター大さじ1とひよこ豆を加えてさっと炒める。

3鍋に海老を並べる

鍋底と側面にバター大さじ1/2を塗り、底に下処理した海老を並べ、オリーブオイル大さじ1/2を垂らす。

4米を入れる

3の上に下準備しておいた米の半量を入れ、その上に2を並べ、胡椒とシナモンパウダーをふる。その上に残りの米を敷き詰める。

米を入れる
米は洗って熱湯につけるのが特徴。鍋底に海老を重ならないように並べ、米の半量を入れて平らにならす。
米を入れる
半量入れた米の上に2を敷き、残りの米を詰める。もしくは、2と米を最初から混ぜてしまっても構わない。

5炊く

熱湯の残り2カップに塩小さじ1を溶かし、4に注ぐ。蓋をして中火にかけ、沸騰したら弱火にして12分ほど炊き、最後に30秒ほど強火で水分をとばして火を止め、3分蒸らす。

6仕上げ

鍋の蓋をはずして皿をかぶせ、ひっくり返してピラフを盛る。レモンとイタリアンパセリを添える。

仕上げ
ひっくり返す前にピラフの全体をヘラで押し、鍋の側面にヘラを入れてはがすとよい。こびりつきにくい樹脂加工の鍋が断然つくりやすい。
完成

教える人

荻野恭子

荻野恭子

おぎの・きょうこ●料理研究家。栄養士。世界65カ国以上を訪れて家庭料理を学び、食文化を研究している。料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」主宰。『家庭で作れるトルコ料理』(河出書房新社)、『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)など著書多数。

※この記事の内容は、四季dancyu「春のレシピ」に掲載したものです。

四季dancyu 春のレシピ
四季dancyu 春のレシピ
A4変型 判(120頁)
2022年3月15日発売/1,100円(税込)

文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。